朝方は見送りムード一色だった。
米中貿易摩擦問題が長期化することへの懸念から、前日の米国株市場ではNYダウが一時450ドル近く急落し、このリスク回避の流れが波及した。
一時下げ幅が220円を超え、節目の2万1000円を割り込んだ。
為替が円高方向に振れたことも嫌気され、ハイテクセクターが売られたほか、原油先物相場の急落を受け、国際石開帝石などの石油関連株が大幅安となった。
しかし、寄り後売りが一巡すると、その後は下値を切り上げる展開となり、日経平均はこの日の高値で取引を終えた。
トランプ大統領が23日、ファーウェイを巡り、中国との貿易交渉で「合意できれば何らかの形で取引に含むかもしれない」と発言したことが好感され、米中摩擦に対する警戒感がやや後退した。
米シカゴ市場の時間外取引で米株価指数先物が好調に推移し、上海や香港などのアジア株も総じて上昇基調となったこと、日銀によるETFの買い入れが観測されたことも相場を下支えした。
市場からは「朝方は、シカゴの日経平均先物(円建て清算値2万860円)ほど深くは下げず、さほど売りが出なかった。米中貿易摩擦への警戒感はあるが、日経平均は引け値で2万1000円を割り込まず、14日同様に下ヒゲの陽線を引き、下値は堅くなってきたようだ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は4日ぶりに反発した。前日比3.94ポイント高の1万3723.65だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆1284億円。売買高は12億4671万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は867銘柄、値上がり1180銘柄、変わらず94銘柄だった。