難航する英国の欧州連合(EU)離脱や米中貿易摩擦問題に対する根強い警戒感を受けて、投資意欲が冷え込んだ。東証株価指数(TOPIX)は14.50ポイント安の1575.31と年初来安値を更新し、昨年5月下旬以来の水準に落ち込んだ。
朝方は、10日の米国株高や円安・ドル高を受け、寄り付き直後に2万1279円02銭(前日比59円52銭高)まで上昇したが、一巡後に下げに転じた。
一巡後に下げに転じた。混迷する英国の欧州連合(EU)離脱問題や米中貿易摩擦への懸念は根強く、時間外取引での米株価指数先物安も重しとなった。
その後は、中国・上海総合指数の上昇をにらみプラス圏に引き戻す場面もあったが、買いは続かず、前引けにかけて再度軟化した。後場は、日銀のETF(上場投資信託)買い期待を支えに下げ渋ったが、戻りは限定され、大引けにかけて上値の重い動きとなった。
市場からは「日経平均は底割れしている訳ではないが、あまりにも戻りが鈍い。自律反発狙いの買いや買い戻しが入っても上を買う人がいない。(日経平均先物・オプション12月限の)週末SQ(特別清算指数)算出に向けてロールオーバー(期近から期先への乗り換え)は進んでいるが、スプレッド(期近と期先の価格差)の動きを見ると売り需要が強く、SQ通過までは需給は悪そう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比109.04ポイント安の1万3956だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆5012億円。売買高は14億7631万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1745と、全体の約8割を占めた。値上がりは324、変わらずは54銘柄だった。