3月17日以来約3週間ぶりの安値水準。米金融政策に対する警戒感から前週末の米株式市場でハイテク株が売られ、東京株式市場でも流れを引き継いだ。下げ幅は一時260円まで拡大した。
朝方から売り優勢の展開となったが、前場は売り一巡後に買い戻しが入り一時日経平均はプラス圏に浮上し、2万7000円台をつける場面もあった。
しかし、その後は再び売り直される形となり、2万6700〜2万6800円の狭いレンジで売り買いを交錯させた。
引け際に買いが入り下げ幅をやや縮小したものの、後場は終始軟調な展開だった。前週末の米国株市場では長期金利の急上昇を嫌気して、ハイテク株に売りがかさみ、ナスダック総合株価指数は安く引けており、東京株式市場でもこの流れを引き継いだ格好だ。
前週末の米株式市場でナスダック総合株価指数や主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅に下落。東京株式市場でも東エレクやアドテストといった半導体関連株をはじめ、値がさのハイテク株に広く売りが出た。
日本時間11日の米株価指数先物が軟調に推移し、上海株や香港株が大幅安に沈んだことも投資家心理を弱気に傾かせた。市場では「新型コロナウイルスの感染拡大による中国での都市封鎖(ロックダウン)は、日本企業への悪影響も意識されやすい」との見方があった。
25日移動平均(2万6777円、8日時点)近辺では割安感のある銘柄に買いが入った。日経平均は押し目買いを受けて上げに転じる場面もあったが、12日に市場が警戒する米消費者物価指数(CPI)の公表を控えて買いは続かなかった。
市場からは「25日線の攻防だが、米金利上昇でグロース(成長)株が売られると指数は重くなる。夜間取引の米株先物安や中国株安も上値圧迫要因だ。ウクライナ情勢に中国でのロックダウン(都市封鎖)など良い話がないなかで、米3月CPI(消費者物価指数)の発表を12日に控え、積極的になれない」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、終値は前週末比7.15ポイント(0.38%)安の1889.64で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆5014億円。売買高は11億4889万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1189と、全体の6割を超えた。値上がりは600銘柄、変わらずは50銘柄だった。