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【大引け概況】
3日の日経平均株価は小幅ながら3日続伸し、前日比8円39銭高の2万6809円37銭で終えた。終値で1991年4月以来およそ29年7カ月ぶりの高値を連日で更新した。
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きょうの東京株式市場は、気迷いムードの強い展開だった。
前日の米国株市場は新型コロナワクチン実用化に対する期待感からNYダウが小幅続伸したものの、ナスダック総合指数は小反落し上昇一服感が出ており、その地合いを引き継ぐ形となった。
国内では東京などで新型コロナウイルスの感染拡大が加速しており、経済活動への影響が警戒されている。最近は外国人投資家の買いに加え、国内機関投資家の一角も買いを入れているとの観測もあったが、日経平均は騰落レシオなどのテクニカル指標面から過熱感も意識されており、きょうは週末発表予定の11月の米雇用統計を見極めたいとの思惑もあって積極的な買いは入りにくかった。
 
英政府が2日、米製薬大手ファイザーなどが開発する新型コロナウイルスのワクチンの使用を承認した。ワクチンの実用化が広がり経済が正常化に向かうとの前向きな見方が相場を押し上げた。
ただ、ワクチンが実用化されても実際の接種率や世界的な普及までの時間軸など不透明な要素は多い。足元で国内の新型コロナの新規感染者数は増加傾向で、外出自粛のムードが広がっているとの見方があるなかで上値は限られた。
 
11月以降の日経平均の大幅な上昇を受けて、個人投資家が買値を上回った銘柄を売っているとみられる。「株式の持ち高削減を計画していた国内金融法人が売りを続けている」との指摘もあり、上値は重かった。
 
JPX日経インデックス400は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比7.79ポイント安の1万6122.68だった。東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、1.28ポイント高の1775.25で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で2兆5457億円。売買高は12億3343万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1266と約6割を占めた。値下がりは834、変わらずは77だった。
 
業種別株価指数(全33業種)は情報・通信業、輸送用機器、空運業が上昇し、その他製品、銀行業、医薬品は下落した。
 
個別では、ソフトバンクGが大量の買いで反発した。デンソーは大幅高。トヨタ、ホンダの買いが厚く、ソニー、東エレクが高く、SUMCOは上伸した。川崎汽、商船三井、郵船など海運業が上げたほか鉄道株も総じて高かった。日軽金HD、三井金、東邦亜鉛など非鉄金属も堅調だった。
 
半面、エムスリーは大幅安。第一三共、日本取引所、TOTOなどが前日比3%超下げた。任天堂が3日続落した。三菱UFJ、三井住友、東京海上、神戸物産、良品計画、リクルートHDが売られた。安川電や横河電などの電気機器、ダイキンやオークマといった機械の一角も安かった。
 
 
東証2部株価指数は前日比14.68ポイント高の6626.15ポイントと5日続伸した。
値上がり銘柄数は211、値下がり銘柄数は194となった。
 
個別では天昇電気工業がストップ高。那須電機鉄工、黒田精工は一時ストップ高と値を飛ばした。アップルインターナショナル、日本製罐、野村マイクロ・サイエンス、サンセイ、要興業など8銘柄は年初来高値を更新。セキド、恵和、ウエスコホールディングス、三社電機製作所、FDKが買われた。
 
一方、梅の花、ラピーヌが年初来安値を更新。アートスパークホールディングス、赤阪鐵工所、Abalance、省電舎ホールディングス、倉庫精練が売られた。