きょうの東京株式市場は、気迷いムードの強い展開だった。
前日の米国株市場は新型コロナワクチン実用化に対する期待感からNYダウが小幅続伸したものの、ナスダック総合指数は小反落し上昇一服感が出ており、その地合いを引き継ぐ形となった。
国内では東京などで新型コロナウイルスの感染拡大が加速しており、経済活動への影響が警戒されている。最近は外国人投資家の買いに加え、国内機関投資家の一角も買いを入れているとの観測もあったが、日経平均は騰落レシオなどのテクニカル指標面から過熱感も意識されており、きょうは週末発表予定の11月の米雇用統計を見極めたいとの思惑もあって積極的な買いは入りにくかった。
英政府が2日、米製薬大手ファイザーなどが開発する新型コロナウイルスのワクチンの使用を承認した。ワクチンの実用化が広がり経済が正常化に向かうとの前向きな見方が相場を押し上げた。
ただ、ワクチンが実用化されても実際の接種率や世界的な普及までの時間軸など不透明な要素は多い。足元で国内の新型コロナの新規感染者数は増加傾向で、外出自粛のムードが広がっているとの見方があるなかで上値は限られた。
11月以降の日経平均の大幅な上昇を受けて、個人投資家が買値を上回った銘柄を売っているとみられる。「株式の持ち高削減を計画していた国内金融法人が売りを続けている」との指摘もあり、上値は重かった。
JPX日経インデックス400は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比7.79ポイント安の1万6122.68だった。東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、1.28ポイント高の1775.25で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆5457億円。売買高は12億3343万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1266と約6割を占めた。値下がりは834、変わらずは77だった。