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【大引け概況】


19日の日経平均株価は続伸し、前日比101円24銭(0.37%)高の2万7257円38銭で終えた。
 
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決算を好感した米株式相場の上昇が波及した。上げ幅は一時200円を超えたが、後場に入ると追加の材料が乏しいなか、戻り待ちの売りなどに押されて伸び悩んだ。
 
9月鉱工業生産の予想以上の改善や銀行大手の好決算を受けて景気減速懸念が後退。長期金利の上昇一服も相場を後押し。米国市場の主要株価指数は終日堅調に推移し、ナスダック総合指数も+0.90%と続伸した。
 
金融機関の決算を手がかりに18日の米株式相場が上昇したのを受け、東京株式市場では投資家心理が上向き、朝方から買いが優勢だった。日本時間19日の米株価指数先物が堅調に推移したのも運用リスクをとる姿勢につながった。日経平均はチャート上で上値抵抗線となっていた200日移動平均(2万7247円)を上回った。
 
外国為替市場で円相場が1ドル=149円台で推移していることも支援材料となった。供給制約の緩和に伴う生産回復や、新型コロナウイルス対策としての入国規制の緩和で、国内企業は円安の恩恵を受けやすくなるとの見方がある。
 
一方、戻り待ちの売りや利益確定売りも出て、上値は重かった。「今後発表される国内企業の決算内容が市場予想を上回っても、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げ継続で世界景気が冷え込むとの懸念から投資家心理の大幅な改善は見込みにくい」との指摘があった。
75日移動平均線や節目の2万7500円を手前に戻り待ちの売りも強く、その後は大引けまで水準を切り下げる展開となった。
 
市場からは「日経平均はきのうの25日線超えに続き、きょうは200日線を回復してきた。米国株次第で勢いが付く可能性もあるが、上には75日線など抵抗線の塊があり、それを打ち砕いていくのは容易ではない」との声も聞かれた。
 
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、終値は前日比3.62ポイント(0.19%)高の1905.06で終えた。
 

東証プライムの売買代金は概算で2兆3727億円。売買高は9億5704万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1148と、全体の6割を占めた。値下がりは607銘柄、変わらずは82銘柄だった。
 
業種別株価指数(全33業種)では電気・ガス業、倉庫・運輸関連業、不動産業の上昇が目立った。下落は鉱業、その他製品、医薬品など。
 
個別では、ソフトバンクG(SBG)が大幅高となったほか、SMC、三菱重工、IHIの機械・防衛関連、マニー、テルモの医療系精密機器、信越化学、HOYAの値がさ株などが相対的に強い動き。ファーストリテはレーティング格上げで一時大幅高も失速して1%高にとどまった。玄海原発の再稼働前倒しが判明した九州電力が大幅高となり、中国電力、東北電力のほか、大ガスやイーレックス、レノバなど電気・ガス関連が軒並み高。ほか、1ドル=150円が視野に入る為替の円安を追い風に日産自、スズキ、SUBARUの自動車関連の一角が堅調だった。
 
半面、郵船、商船三井、川崎汽船の大手海運3社が国内証券によるレーティング格下げもあり軟調。7&I−HD、シマノは外資証券のレーティング格下げを受けてそれぞれ大幅安。田製は中国スマホの下振れに言及する社長インタビューが一部で報じられて軟調。クレセゾンが大幅安。コナミGやシャープ、TDKが下落した。