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【大引け概況】



28日の日経平均株価は反落し、前日比499円38銭(1.54%)安の3万1872円52銭で終えた。終値で3万2000円を下回るのは8月25日以来、およそ1カ月ぶり。
 
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きょうは大きく売り優勢に傾いた。きょうは9月期末の配当権利落ち日にあたり224円あまりの下落圧力が働いたが、それを差し引いてもリスク回避ムードの強い地合いだった。

日経平均は前引け間際に一気に下げ幅を広げ、後場寄りには700円近く下落する波乱含みの展開となった。

前日の欧米株市場が総じて軟調で、米長期金利が約16年ぶりの高い水準をつけるなどハイテク系グロース株には向かい風の強い相場環境となり、東京市場でも市場センチメントが弱気に傾いた。後場後半は買い戻しや押し目買いで下げ渋ったものの、大引け間際に売りが出て戻りは限定的だった。
 
日経平均採用銘柄の配当の権利落ち影響は、QUICKの試算で日経平均を224円程度下押ししたとみられる。前日の米株式市場で米ダウ工業株30種平均が下落し、東京市場でも朝方から売りが優勢だった。原油先物相場の上昇を受け、燃料費が上昇し収益の重荷になるとの見方から空運株や陸運株の下げが目立った。
 
日経平均は前引け前に急速に下げ幅を拡大した。四半期の決算期末に向けて機関投資家などによるリバランス(資産配分の再調整)売りが出やすかったとの指摘があった。米国で9月末までに連邦政府の予算案が成立せず、10月から米政府の一部機関が閉鎖するリスクへの懸念が投資家心理の重荷になったとの見方もあった。
 
配当落ち日とあって、その影響分約224円を考慮しても、相場の地合いは悪く、目先は調整色の強い展開が続きそうで、8月安値の3万1275円割れも考えられるのではないかと先安不安が増幅しつつある。また、あすで上半期末を迎えるだけに、今後の注目点は、国内企業の上半期決算動向に加え、米政府機関の閉鎖問題の解決などだろう。特に国内企業の上半期決算での好業績などが示されれば、相場反転のきっかけになりそうだ。
 
東証株価指数(TOPIX)は反落し、終値は前日比34.02ポイント(1.43%)安の2345.51だった。JPXプライム150指数は反落し、終値は15.30ポイント(1.48%)安の1016.91だった。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆9872億円。売買高は16億6147万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1539と、全体の8割を占めた。値上がりは241銘柄、横ばいは27銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は空運業、倉庫・運輸関連、陸運業、その他金融業などが下落。上昇は鉱業。
 
個別では、東京エレクトロンが安く、ファストリやソフトバンクグループ(SBG)も軟調。トヨタ自動車も値を下げた。三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクが売られ、リクルートホールディングス、アステラス、武田薬品工業なども下落した。日立製作所、ダイキン工業が下値を探った。大紀アルミニウム工業所が急落、FPGも大幅安。ディア・ライフなども大きく水準を切り下げた。
 
半面、原油市況の上昇によりINPEX、石油資源開発が上昇。売買代金首位のレーザーテックが頑強、川崎汽船も商いを伴いしっかり。JTも買いが優勢だった。三菱重工業が堅調、ディスコ、ソシオネクストも強さを発揮した。このほか中外製薬が上昇した。システム情報が急騰、日東精工、ニイタカ、TOWA、業績予想を上方修正した乃村工藝社なども大幅高だった。
ライドオンEも大幅高。投資判断の引き上げが確認された住友ゴム、第一生命HD、四半期業績の増益転換や増配・自社株買いが好感された西松屋チェも高い。ほか、ステラケミファ、住友電工は投資判断の格上げが確認された。