朝方は前日の米株安などを受け下げて始まったが、外国為替市場で円相場が再び1ドル=148円台まで下落したことを好感し上昇に転じた。イスラエルがパレスチナ自治区ガザでの戦闘を4日間休止すると伝わり、地政学リスク後退につながるとの見方も相場を支えた。
日本時間22日朝に2023年8〜10月期決算を発表した、米半導体大手のエヌビディアの株価が米市場の時間外取引で下落したことで、寄り付き後は下落した。ただ、売り一巡後は押し目買いが優勢でプラス圏に浮上、前場中ごろにかけて上げ幅を広げる展開となった。円高一服に加え、米長期金利の低下傾向を好感した買いが入った。銅価格の上昇から非鉄金属株への買いも目立った。
午後は、明日23日が勤労感謝の日、米国市場が感謝祭でともに休場となるため、買い進む動きは限定的で上げ幅を縮小した。
市場関係者は「円安を追い風に業績が拡大するとの見方が日本株の支えになっており、円高進行がひとまず止まったことは投資家に安堵感を与えた」と指摘した。後場に入ると短期的な過熱感が意識され、日経平均は伸び悩んだ。
国内では中間配当金の支払いが始まっており、配当金総額は昨年の6兆5000億円規模から今年は7兆7000億円規模に達するとの観測であり、配当再投資への期待も高く、需給改善期待が相場を支えている。日米市場の休場明け後は年初から好パフォーマンスとなっている日本株に注目が集まる可能性が高く、先高期待は根強いだろう。