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【大引け概況】

10日の日経平均株価は続落し、前日比180円63銭(0.65%)安の2万7819円33銭で終えた。
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きょうは朝方から売りが先行した。前日の米国株市場では主要株価指数が揃って下落、大手半導体メーカーの下方修正を受け半導体関連株が売られたことが地合いを悪くしたが、これが東京市場にも波及した。日本時間今晩に発表が予定される7月の米CPIの結果を前に、買い手控えムードが広がった。
日経平均は朝方に270円あまりの下げをみせたが、その後は押し目買いが入り下げ渋った。後場に入ると売り買いともに様子見ムードが強まり、2万7800円を挟んだ非常に狭いレンジでもみ合う展開となった。
 
半導体関連株が売られ、相場の重荷となった。企業決算を材料にした個別物色が続いたが、7月の米消費者物価指数(CPI)の発表を日本時間夜に控え、午後は様子見ムードも強まった。
半導体大手のマイクロン・テクノロジーが9日、6〜8月期の売上高予想を下方修正したのを受け、世界的な半導体需要への懸念が増した。米市場で半導体株が大きく下げ、10日の東京市場で東エレクとアドテストなど関連株の売りを促した。足元で上昇基調にあったファストリ株も売られ、3銘柄で日経平均を押し下げた。
 
米CPIは米金融政策の先行きを占ううえで見逃せないインフレ指標で、市場の関心が集まっている。米インフレが加速すれば、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め姿勢が強まるとの警戒も漂う。
 
市場では「米CPIの発表を前に機関投資家が持ち高を傾ける動きが限られた」との声があった。11日は東京市場が祝日で休場となるため、米市場の動きを見極めたいとの雰囲気も広がった。
 
岸田文雄首相が10日、内閣改造に着手。午後に閣僚名簿が発表されたが、市場で材料視する声は目立たなかった。
 
東証株価指数(TOPIX)は小幅続落し、3.37ポイント(0.17%)安の1933.65で終えた。東証プライムの売買代金は概算で2兆5809億円。売買高は10億5522万株だった。東証プライムの下がり銘柄数は896、値上がりは874、変わらずは68銘柄だった。

 


業種別株価指数(33業種)は、空運業、電気機器、精密機器などが下落した。上昇は電気・ガス業、石油・石炭製品、パルプ・紙など。
 
個別では、売買代金で群を抜いたレーザーテックが大きく水準を切り下げ、東京エレクトロンも下値模索が続いた。ここ上値追い態勢を鮮明としていたファーストリテイリングも2000円を超える下げで反落した。前日に決算を発表したネクソンが大幅安、エムスリーやソニーグループが軟調、メルカリ、キーエンスなども安い。メドピアがストップ安、OATアグリオも大幅安となった、ペプチドリーム、藤倉コンポジットの下げも目立つ。
 
半面、通期見通しを上方修正した出光興産が上昇。レノバが商いを伴い値を飛ばし、住友林業も大幅高。トヨタ、マツダも物色人気に。三菱重工業も買いが優勢だった。マクロミルはストップ高で値上がり率トップとなり、ロート製薬が急騰、ジェイリース、東洋エンジニアリングなども大きく上昇した。三菱マテリアルも活況高だった。