米9月消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことが警戒され、前日のNYダウは57ドル安と下落した。ただ、東京市場では下値を拾う動きは強く、日経平均株価は値を上げてスタート。なかでも決算内容が好感されたファーストリテイリングは大幅高となり、日経平均株価を大幅に押し上げた。このところの株価は好決算を見越した先回り買いもあり上昇基調で、決算内容には「驚きは小さい」との受け止めもあったが、増配も併せて発表したことで上値を試す展開となった。海外投機筋などの買いも集めた。米長期金利の上昇が一服したのを支えにアドバンテストなどハイテク株の一角にも買いが入った。銀行株なども高い。
ただ、明日からの3連休を前に様子見姿勢も強まり、後場は高値圏での一進一退が続いた。
プライム全体の商いは低調で、日経平均の4万円が意識されるなか戻り待ちや利益確定の売りが上値を抑えた。
不動産や陸運、食料品など内需株を中心に下落する銘柄も目立った。日米の金融政策などマクロ環境の先行きには不透明感が強く様子見姿勢を強める投資家も多いなかで、日経平均の一方的な上値追いとはならなかった。
株価指数オプションとミニ日経平均先物10月物の特別清算指数(SQ)値は3万9701円93銭だったとみられている。
さて、東京株式市場はマクロ的な買い材料不在ながらも、ファーストリテイリングの好決算・増配というミクロ要因に支えられて日経平均が続伸する展開だった。
下半期に入って上場企業の今期利益が明確に増益基調へ転じていることが、足元の相場の安定上昇基調に反映されているように見受けられる。事実、日経平均の1株当たり利益は着々と増額傾向にある。ミクロ要因の積み重ねもあって4万円台達成は近いだろう。