北朝鮮の弾道ミサイル発射に伴う米朝関係の緊迫化を懸念し、投資家心理が冷え込んだ。
北朝鮮の建国記念日に当たる9月9日までは「慎重姿勢を崩すことはできない」と、市場関係者も萎縮気味だ。
外国為替市場で円高・ドル安が進んだことも投資家心理に影を落とした。金利低下を背景に金融株が下落したほか、値がさ株に売りが出た。売り一巡後は個人投資家などが押し目買いを入れ、後場は下げ渋った。
東証株価指数(TOPIX)も2.36ポイント安の1597.76とさえない値動きだった。
JPX日経インデックス400は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比22.56ポイント安の1万4151.80だった。
東証1部の売買代金は概算で1兆8160億円と活況の目安とされる2兆円を7日連続で割り込んだ。7日連続の2兆円割れは昨年10月以来10カ月ぶり。
東証1部の出来高は13億8700万株。
銘柄数は値上がり881銘柄、値下がり989銘柄、変わらず144銘柄。
業種別株価指数(33業種)は、パルプ・紙、保険業、証券・商品先物取引業の下落が目立ち、上昇は、建設業、サービス業、医薬品など。
規模別TOPIXは大型が0.2%、中型が0.1%いずれも下げたのに対し、小型は0.2%高だった。
個別銘柄では、ファストリやソフトバンクなど値がさ株の下げが大きかった。金利低下を背景にT&Dや第一生命HD、東京海上、三菱UFJなどの金融株が売られた。
王子HD、日本紙もさえない。イオンやセブン&アイ、任天堂、KLabが下落した。村田製や富士通、トヨタ、スズキやデンソーも売られた。
一方、OLCや三菱ケミHDは年初来高値を更新した。大成建、鹿島が上昇しリクルートHDは堅調でアステラス薬、武田、味の素、三井住友、日産自、ソニー、キーエンス、ファナックが高く、石川製など防衛関連銘柄の一角にも買いが集まった。
東証2部株価指数は前日比16.73ポイント安の6599.86ポイントと6日ぶり反落した。
値上がり銘柄数は191、値下がり銘柄数は239となった。
個別では、神鋼環境ソリューション、日本抵抗器製作所、象印マホービンが年初来安値を更新。セイヒョー、魚喜、杉村倉庫、カワサキ、スリーエフが売られた。
一方、プレミアムウォーターホールディングスがストップ高。黒谷、エンビプロ・ホールディングスは一時ストップ高と値を飛ばした。スリープログループ、まんだらけ、コメ兵、情報企画など24銘柄は年初来高値を更新。ケミプロ化成、フュートレック、サンユウ、ぷらっとホーム、京進が買われた。