朝方は、新型コロナウイルス向けワクチン開発の進展を材料に米国株が急騰した流れを引き継ぎ、幅広い銘柄が値上がりした。日経平均株価は上げ幅を一時前日比500円超に拡大し、3月の「コロナ暴落」以降の最高値で取引を終えた。
ただ、ワクチンの開発には相応の時間がかかるほか、米中対立激化への警戒感も根強い。中長期の投資家を中心に、現時点では5月の日中高値圏である2万500〜2万600円近辺より上は買いづらいとの見方もあり、上値は抑えられた。特段の追加材料もないなか、大引けにかけて売りがやや優勢となり、この日の安値で引けた。
自動車や電子部品、銀行など景気動向を反映しやすい業種に買いが集まった。国内で経済活動再開が進んでいることも株価上昇の要因となり、航空、鉄道会社の株式も値上がりした。「海外投資ファンドや個人の短期投資が一斉に買い戻しに動いた」との指摘があった。
ただ、日経平均が2万0500円を超える水準では売り物が厚かった。「運用リスクを回避したい国内金融機関が売りを出した」みられる。
JPX日経インデックス400は続伸した。終値は前日比247.74ポイント高の1万3354.39だった。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、26.76ポイント高の1486.05で終えた。業種別TOPIXはほぼ全面高となった。鉄鋼、海運、空運が上昇した。
東証1部の売買代金は概算で2兆5408億円。売買高は15億8951万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1678銘柄と77%を占めた。値下がりは426、変わらずは66銘柄だった。