朝方は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が7日の上院議会証言で利上げペース加速の可能性を示唆し、米国株式が下落した流れを受け、売りが先行したが、一巡後は円安・ドル高が支えとなり、上げに転じた。戻り売りや利益確定売りに伸び悩む場面もあったが、円安進行とともに一段高となり、後場終盤には2万8469円41銭(前日比160円25銭高)まで上昇した。その後は、大引けにかけて一服商状となった。
3月から中国からの渡航者向けの水際対策が緩和されたこともあり、インバウンド(訪日外国人)消費の本格回復への期待も強く、百貨店株や鉄道株といった関連銘柄に買いが集まった。3月末の配当の権利取り狙いの買いも続いた。
市場からは「円安をきっかけに先物買いを誘発し、さらに週末SQ(特別清算指数)算出に向けた買いを呼び、上げに拍車を掛けた。いわば、特殊要因であり、円安一服となれば、その反動が出てくるだろう」との声が聞かれた。
東証による低PBR(株価純資産倍率)企業への改善を求める機運を背景にバリュー(割安)株の物色も継続。東証株価指数(TOPIX)は4日続伸し、6.23ポイント(0.30%)高の2051.21と、21年11月4日(2055.56)以来、およそ1年4カ月ぶりの高値を回復した。