動画再生
【大引け概況】


8日の日経平均株価は4日続伸し、前日比135円03銭(0.48%)高の2万8444円19銭と、2022年9月13日(2万8614円63銭)以来およそ半年ぶりの高値となった。
 
本日のマーケット動画
時間:00:00:54 容量:12.2M

過去のマーケット動画はこちら
 
朝方は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が7日の上院議会証言で利上げペース加速の可能性を示唆し、米国株式が下落した流れを受け、売りが先行したが、一巡後は円安・ドル高が支えとなり、上げに転じた。戻り売りや利益確定売りに伸び悩む場面もあったが、円安進行とともに一段高となり、後場終盤には2万8469円41銭(前日比160円25銭高)まで上昇した。その後は、大引けにかけて一服商状となった。
 
3月から中国からの渡航者向けの水際対策が緩和されたこともあり、インバウンド(訪日外国人)消費の本格回復への期待も強く、百貨店株や鉄道株といった関連銘柄に買いが集まった。3月末の配当の権利取り狙いの買いも続いた。
 
市場からは「円安をきっかけに先物買いを誘発し、さらに週末SQ(特別清算指数)算出に向けた買いを呼び、上げに拍車を掛けた。いわば、特殊要因であり、円安一服となれば、その反動が出てくるだろう」との声が聞かれた。
 
東証による低PBR(株価純資産倍率)企業への改善を求める機運を背景にバリュー(割安)株の物色も継続。東証株価指数(TOPIX)は4日続伸し、6.23ポイント(0.30%)高の2051.21と、21年11月4日(2055.56)以来、およそ1年4カ月ぶりの高値を回復した。

 
 
 
東証プライムの売買代金は概算で2兆7202億円。売買高は11億677万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1237。値下がりは521、変わらずは77銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は陸運業、小売業、不動産業、ゴム製品などが上昇した。下落は鉱業、非鉄金属など。
 
個別では、円安を追い風にマツダ、三菱自、SUBARUが上昇。オークマ、安川電機、日ぺHDなどの中国関連株の一角のほか、TDK、太陽誘電、レーザーテックなどハイテクの一角が堅調。JR東海、JR西日本、共立メンテ、パンパシHD、マツキヨココカラ、高島屋、三越伊勢丹HDなどのインバウンド関連も買われた。米中古車価格指数が前月比で上昇したことを手掛かりにIDOM、ネクステージも高い。タクマはレーティング格上げ、NTNは目標株価引き上げが好感されて大きく上昇した。
 一方、INPEX、石油資源開発、住友鉱山、共英製鋼、東京製綱、阪和興業など資源関連・景気敏感株が下落。マネーフォワード、ギフティ、メドレーなどのグロース(成長)株も軟調。日産自はS&Pグローバル・レーティングが同社の長期発行体格付けを投機的水準に引き下げたことが嫌気された。