前日の米国株市場がレーバーデーの祝日に伴い休場だったことで手掛かり材料に欠けたが、欧州株市場が軒並み大きく買われたことを受けリスク選好の流れとなった。
取引時間中はアジア株市場の動きや米株価指数先物の動向を横目に方向感が定まらず、日経平均は後場寄りに大口売りで伸び悩む場面もあった。
しかし、後場終盤になって先物を絡め買い戻しの動きが活発化し、上げ幅を広げた。新型コロナウイルス収束への期待を背景に、業種別ではサービスや食品、不動産など内需株や鉄鋼、化学など景気敏感株が買われたほか、ここ調整色を強めていた半導体関連の一角にも押し目買いが観測された。
内閣府が8日発表した8月の景気ウオッチャー調査(街角景気)は、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整済み)が43.9と4カ月連続で改善した。景気の先行きに明るさが出てきたとして不動産、サービス、電気機器などの出遅れていた業種が上昇した。
JPX日経インデックス400は3日ぶりに反発し、終値は前日比89.26ポイント高の1万4636.19だった。東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりに反発し、11.15ポイント高の1620.89で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆941億円。売買高は10億7485万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1757と、全体の約8割を占めた。値下がりは344、変わらずは71だった。