国内で新型コロナウイルスの感染が急拡大しており、内需系銘柄に売りが広がった。米長期金利の上昇への警戒感も強く、グロース(成長)株にも値下がりが目立った。
前日に日経平均が急騰した反動もあって、主力輸出株をはじめ広範囲に目先利益確定の売り圧力が顕在化した。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともにプラス圏で引けたが上値は重かった。注目された12月の米CPIが事前予想と一致、全体相場への影響は限られたものの高水準でインフレ警戒感が高まっている。
これを受けて東京株価市場でも様子見ムードが強く、あすのオプションSQ算出を控え積極的な買いは入らなかった。国内でも新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株の感染が急拡大傾向にあることで投資マインドを冷やした。業種別では鉄鋼や非鉄株が買われ、小売セクターなどが安い。
東京都が13日に開催した新型コロナの感染状況を分析するモニタリング会議では、現在の感染状況が続けば、1週間後の20日に都内の新規感染者数は9500人を超えるとの試算が示された。国内景気の回復期待が後退し、セブン&アイなどの小売株やJR東海などの鉄道株が下落した。
インフレ抑制のため、米連邦準備理事会(FRB)は早期の利上げと量的金融緩和の縮小(QT)の必要に迫られている。足元で1.7%台にある米長期金利が一段と上昇するとの懸念は拭えず、キーエンスやリクルートなどの高PER(株価収益率)銘柄が値を下げた。
半面、足元の資源高や米長期金利の上昇によるバリュー(割安)株買いの流れもあり、総合商社株や素材関連株の一角は上昇した。
重要イベントを控え、指数は下げ一巡後に小動きとなった。指数寄与度の高いファストリが引け後に決算発表を実施。台湾積体電路製造(TSMC)による設備投資の計画公表も控え、様子見ムードが広がった。
JPX日経インデックス400は反落した。東証株価指数(TOPIX)も反落し、前日比13.78ポイント(0.68%)安の2005.58で終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆7679億円。売買高は11億6357万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1605と全体の7割を超えた。値上がりは502、変わらず78銘柄だった。