短期的な相場過熱を警戒した利益確定売りに押された。一時は7月3日の年初来高値(3万3753円33銭)を上回り、1990年3月以来33年8カ月ぶりの高値水準をつけたが、買いの勢いは続かなかった。
日本時間20日の取引で米ナスダック100株価指数の先物が軟調に推移したことも売りを促した。
日経平均は小安く始まったが、すぐに切り返して上げ幅を260円超に広げる場面があった。米追加利上げの終了観測を背景とした株価の先高観から、短期筋が株価指数先物に断続的な買いを入れたとみられる。前場中ごろからは急速に伸び悩み、下げに転じた。このところ日経平均は騰勢を強め、11月に入ってからの上げ幅は前週末時点で2700円あまりに達していた。目先の達成感から年初来高値を上回ったタイミングで売りを出す投資家も多かったようだ。高値圏では利益確定売りに押され、後場にかけて再びマイナス圏に売られ下げ幅は一時200円を超えた。
投資家の買い意欲は根強く、下値は限定的だった。市場関係者は「11月下旬から12月上旬にかけては中間配当の再投資による買いが見込まれ、需給好転が期待できることも株価の先高観につながっている」と話した。
日経平均は一時的とはいえ、バブル崩壊後の戻り高値を更新したため、年末高に対する期待は高まっている。また、年初からの株価の上昇率を見ると、日経平均の良好なパフォーマンスが続いており、海外投資家の日本株買いは続く可能性が高いとみられる。また、本日から来月下旬にかけては配当の再投資が見込まれ、その規模は7兆円弱の資金が市場に還流してくるとみられ、需給面での下支えとなりそうだ。目先的には相場の過熱感を冷ます必要があるだけに、過熱を冷ます一服を交えての強いトレンドが期待されよう。