朝方は売りが先行したが、ほどなく上昇に転じた。上げ幅は150円を超える場面もあった。
きょうの東京株式市場は、決算発表が佳境入りとなるなか、好決算銘柄を中心に買いが入り全体相場を支えた。売買代金上位の主力株に買い戻しの動きが顕在化し、全体指数を押し上げた。前日の米国株市場でNYダウは安かったものの、半導体関連などが買われナスダック総合指数が上昇したことや、為替が円安に傾いたことがプラスに働いた。
一方、米国では発表された雇用関連の指標が市場予想を下回ったことで景気先行きに対する不透明感が浮上しており、日本国内では新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大が警戒されるなか、上値も重い展開だった。アジア株市場も不安定な動きとなるなか、小型株には売られるものが目立ち、値下がり銘柄数が値上がりを上回った。
郵船やソニーGなど好業績の銘柄に物色が入った。市場関係者は「国内で新型コロナワクチンを2回接種済みの人が総人口の30%を超えたことで、これまで日本株を敬遠していた海外勢が買いを入れやすくなった」と分析。足元の感染拡大が7〜9月期以降の業績を下押しする懸念は根強いことから「(業績の)上方修正の発表などで下値不安が解消された銘柄に買いが集まった」とみていた。
4日に米国で発表された民間の雇用指標が市場予想を下回った。米景気の回復が鈍化しかねないとの懸念がくすぶり、相場の重荷となった。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比72.54ポイント高の1万7326.93だった。東証株価指数(TOPIX)は反発し、7.55ポイント高の1928.98で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2065億円。売買高は9億5527万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は802と、全体の4割を下回った。値下がりは1290、変わらずは98銘柄だった。