
きょうは利益確定の動きが顕在化し、主力株の一角に売りが目立った。前日の米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が揃って上昇し、ナスダック総合株価指数とS&P500指数は最高値更新が続くなど、強い地合いを継続したが、東京株式市場ではこれを引き継ぐことができなかった。
前日までの5営業日で日経平均は2000円以上の上昇をみせていたことで、目先高値警戒感が重荷となった。機関投資家による益出し売りが観測されたほか、日経平均寄与度の高い値がさ株の一角にインデックス売りがかさむなど、先物絡みで下げ幅を広げている。朝方発表された6月の日銀短観は前回3月調査から改善傾向が確認されたが、これを特に好感する動きは見られなかった。日経平均は終値で500円あまりの下げとなり、フシ目の4万円大台を割り込んだ。
日経平均は前日までの5日続伸で、チャート上では過去25営業日の移動平均に比べ「買われすぎ」の目安となる5%を超え、短期的な過熱感が高まっていた。6月に上昇が目立った東京エレクトロンやレーザーテクなど半導体関連の一角に売りが目立った。
需給要因も相場の重荷だった。きょうから7月相場入りで、国内の機関投資家が四半期の初めに持ち高の評価益を実現益にする「益出しの売り」が膨らんだとの見方があった。市場では「きょうは1日かけて益出しの売りが続いた可能性がある。7月は上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う換金売りも出るため、来週にかけ需給面の要因が逆風となりやすい」との指摘が聞かれた。
日経平均は下げ渋る場面もあった。午後に国内債券市場で長期金利が低下したことで、金利と比べた株式の割高感が薄れたことに伴い、日本株の先高観に着目した投資家からの資金が流入した。日銀が取引開始前に発表した2025年6月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)で大企業・製造業はプラス13と、前回3月調査のプラス12から改善した。日本経済の底堅さに着目した買いも入った。