日経平均は前日におよそ30年5カ月ぶりの高値を更新しており、相場の過熱感を背景に、取引開始直後から利益確定売りが広がった。日経平均の下げ幅は一時200円を超えた。一方、相場の先高観は崩れておらず、業績に期待できる銘柄は買われた。
米インテルの堅調な決算にもかかわらず、半導体関連株の動きは鈍い。米国金利の上昇に好反応を示してきた金融株もこの日は軟調で、「いいとこ取り相場」はひとまず終了した感が強い。
来週から国内主要企業で決算発表が本格化するため、様子見姿勢の投資家が多かった。
海外では東京五輪の開催を危ぶむ報道が目立ち始めた。投資家の目は「期待から現実に移り始めている」状況で、今後本格化する決算発表での業績改善を「上値を試すきっかけとして期待したい」との声が上がっていた。
電通グループなど関連銘柄に売りが出たが、「すでに五輪効果への期待は薄く、相場全体への影響は限定的」との指摘があった。政府はタイムズの報道を否定した。
半面、世界での需要拡大期待が続く半導体関連株の一角が買われた。中国景気の回復で成長が見込まれるファクトリーオートメーション(FA)関連銘柄なども物色され、相場を支えた。業績予想を上方修正した銘柄にも買いが入った。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前日比23.46ポイント安の1万6866.20だった。東証株価指数(TOPIX)は反落し、4.00ポイント安の1856.64で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆3734億円。売買高は12億1752万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1416と、全体の約65%を占めた。値上がりは694、変わらずは80銘柄だった。