きょうはリスク選好の地合いとなった。前日に日経平均は先物主導で650円あまりの下落をみせたが、前日の欧米株市場が全面高に買われたことを受け、大きく買い戻される展開となった。上げ幅は朝方に600円に達する場面があったが、中東での地政学リスクが意識されるなか、徐々に戻り売りに押される展開に。バイデン米大統領のイスラエル訪問が伝わると、イスラム組織ハマスとイスラエルの武力衝突の激化が避けられるとの思惑から株価上昇を後押ししたが、実需買い需要には乏しく、その後は3万2000円近辺でのもみ合いとなった。日本の長期金利上昇も株価の重荷との見方があった。
16日の米ハイテク株高を背景に、日本市場では前日に大きく売られていた東エレク、レーザーテク、スクリンなど半導体関連株に買いが波及した。
バイデン米大統領が18日にイスラエルを訪れると米政府が発表し、中東情勢の一段の深刻化がひとまず避けられるとの期待が浮上、朝方の相場上昇に弾みをつけたとの見方もあった。ただ、市場では「これで事態の緊迫化に歯止めがかかるとは思えない」と懸念は強い。買い一巡後は個人投資家とみられる戻り待ちの売りが出て伸び悩んだ。
中東情勢に対する警戒感に加え、米国の長期金利が再び上昇傾向にあることも気がかり材料だろう。米国では17日、9月の小売売上高や9月の鉱工業生産などの経済指標が発表される。いずれも8月から伸び率は鈍化する見通しだが、市場予想よりも強い結果となれば、再び利上げ長期化に対する懸念が台頭しかねないだけに、経済指標を受けた米国市場の動きには注意が必要だろう。