前日の米株式市場では、NYダウは427ドル高と反発した。米株高を好感して日経平均株価も上昇してスタートした。
5日の米株式市場でのハイテク株高の流れを受け、東京株式市場でも朝方から東エレクやアドテストなど値がさの半導体関連株が買われて日経平均を押し上げた。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した10月の非製造業(サービス業)景況感指数は56.0と2年3カ月ぶりの高水準となり、市場予想も上回った。景況感の改善のほか、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ継続観測も株買いを誘い、ダウ工業株30種平均も反発した。
また、米大統領選は開票序盤で激戦州のジョージア州でトランプ氏が優勢と伝わるとドル高・円安が進行するとともに、日経平均株価も上伸。その後も、トランプ氏優勢の報道が続き、為替市場では一時1ドル=154円台に乗せ前日夕方に比べ2円近いドル高・円安が進んだ。
日経平均株価も前日に比べ1100円超の3万9600円台まで上昇する場面があった。半導体関連株や銀行株、防衛関連の大手重工株などが買われた。ただ、買い一巡後は利益確定売りも膨らみ、午後2時頃にかけやや上昇幅は縮小したが、激戦州のノースカロライナやジョージアなどでのトランプ氏の勝利が伝わると再び値を上げた。米議会選挙も共和党が上院の多数派を奪還したと報じられ、大統領と上下両院の議会選も共和党が勝利する「トリプルレッド」に対する期待が高まった。結局、トランプ氏の勝利を織り込む格好で日経平均株価は1005円高で取引を終えた。
ただ、買い一巡後は伸び悩む場面もみられた。場中に決算を発表したホンダは2025年3月期(今期)の連結純利益(国際会計基準)が前期比14%減の9500億円になる見通しを明らかにした。10%減の1兆円を見込んでいた従来予想から下方修正し、市場予想の平均であるQUICKコンセンサスの1兆696億円(10月25日時点、17社)を下回ったことで、株価は下げ幅を午後に拡大し、日経平均の上値を抑えた。
注目を集めたトヨタは、2024年4〜9月期の連結決算(国際会計基準)で純利益が前年同期比26%減の1兆9071億円だった。市場予想の平均であるQUICKコンセンサス(10月25日時点、7社、2兆3444億円)を下回ったが、株価は上昇して終わった。市場では「系列のデンソーなどの決算が良くなかったので、トヨタの決算が良くないことは市場で織り込み済みだった」との声が聞かれた。
さて、東京株式市場は米株高に円安と良好な外部環境が揃い日経平均は大きく上昇。今月1日の大幅な下げ(1027円安)を完全に埋めてきた。さらに、米大統領選でトランプ氏勝利の流れが見えてきた中盤以降は一段高へ。一足早いトランプラリーを演じている。当面はマイナス材料がなく日経平均は上値4万円を捉えてくる11月相場となりそうだ。