朝方からリスク選好の流れとなり、日経平均は大きく上値を伸ばし、朝方に750円を超える上昇でフシ目の3万9000円台を回復する場面があった。前週末の欧州株市場が金利低下を背景に全面高に買われた。
また、米国株市場では発表された経済指標がコンセンサスを上回ったことで米経済の強さが確認され、NYダウが400ドルを超える上昇で史上最高値を更新している。これを受けて、東京市場でも取引開始直後から先物主導で日経平均が押し上げられる格好となった。今週は国内企業の中間配当支払いが相次ぐことで、配当再投資による浮揚効果も働いたとみられる。
なお、個別株べースでみると値上がり銘柄数は全体の45%と半分以下にとどまっている。売買代金は後場急増したが、これはMSCIの指数構成銘柄の入れ替えによる影響で売買高が上乗せされたことによる。
22日発表の11月の米国購買担当者景気指数(PMI)速報値が米景気の底堅さを示す内容で、同日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が最高値を更新するなど主要3指数が上昇した。この流れを受け、東京株式市場でも朝方から主力株をはじめ幅広い銘柄が買われた。精密機器や化学など景気敏感株の上昇も目立った。加えて、国内企業の配当の再投資による買いなど、需給面でのサポートも相場の押し上げ要因となった。
ただ、日経平均は利益確定売りや戻り待ちの売りに押されて伸び悩む場面もあった。
市場では「地政学リスクやトランプ次期米政権の政策を巡る不透明感があるなかで、日本株が本格的に上値を追う展開にはなりづらい」との見方もあった。
トランプ次期米大統領は22日、米財務長官にスコット・ベッセント氏を指名した。市場では「米国市場にとってはマーケットフレンドリーでも、日本市場にとって同様とは限らない。実際に出てくる政策を見極めていく必要があるため判断は難しい」との声が聞かれた。
最高値を更新する米国に追随する動きとなり日経平均はボックス下限(3万8000円)ゾーンから離脱へ。25日、75日、200日移動平均線全てをクリアし年末高へと準備を整えつつある。他国からするとトランプ政権のやることに不透明感は強いものの、経済に関しては概ねプラスに作用することは間違いなさそうで、長期金利を睨みながらも押し目買いスタンスが有効なのだろう。