前場より買い優勢の展開で、後場に入ると日経平均株価は上げ幅を広げた。終盤伸び悩んだものの、100円を超える上昇で着地した。
寄り前に発表された4月の機械受注が市場予測を大幅に上回る伸長をみせたことが、プラスに働いたほか、外国為替市場で円相場が対ドルで下落し、輸出企業の採算改善を見込んだ投資家の資金が流入した。
12日の米朝首脳会談をきっかけに地政学リスクが後退するとみた短期志向の海外投資家が日経平均先物に買いを入れた面もあった。
ただ、市場参加者は少なく商い低調で、5月28日ぶりに2兆円を割り込んだ。今年3番目の低水準となる。
通商問題で足並みの乱れが改めて浮き彫りになった先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)は、「市場にとっては想定の範囲内」との見方が主流。投資家の目は12日の米朝首脳会談や、週末にかけて相次ぐ米欧日の金融政策を決める中央銀行の会合に移っている。
JPX日経インデックス400は反発した。終値は前週末比42.43ポイント高の1万5785.20だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、5.40ポイント高の1786.84で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆9134億円、売買高は11億3204万株だった。
東証1部の値上がり銘柄数は1189、値下がりは800、変わらずは99銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、石油・石炭製品、水産・農林業、小売業など26業種が上昇した。一方、海運業、鉱業、建設業など7業種が下落となった。
個別では、ソフトバンクが堅調、花王、ソニーもしっかり。ファーストリテイリングも高く、ファナックも買い優勢だった。
エイチームが物色人気で、ホンダ、セラク、クミアイ化学工業、味の素なども買いを集めた。ディー・エル・イーが上昇、カチタス、TOKYO BASEも高い。
半面、資生堂が軟調、東京エレクトロン、村田製作所も冴えない。積水ハウスが大幅安となったほか、日本海洋掘削、gumiが急落した。
日東電工、GMOインターネットが値を下げ、ラクーンも安い。シンフォニアテクノロジー、東京ドーム、ブレインパッドも売られた。
東証2部株価指数は前週末比41.80ポイント高の7384.92ポイントと5日続伸した。
出来高1億8097万株。値上がり銘柄数は242、値下がり銘柄数は201となった。
個別ではビート・ホールディングス・リミテッドがストップ高となった。ソルコム、サトウ食品工業、ベネフィット・ワン、三光マーケティングなど21銘柄は年初来高値を更新した。
不二サッシ、森組、兵機海運、都築電気、宮入バルブ製作所が買われた。
一方、中外鉱業、エノモト、理研コランダム、北越メタルなど10銘柄が年初来安値を更新した。
インスペック、アールエイジ、ジェイ・エス・ビー、ミロク、オーミケンシが売られた。