11日が山の日の祝日で休場だったことから、東京株式市場は2日ぶりの取引となった。米株式市場では、10日と11日でNYダウが約560ドル上昇した。米7月消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回りインフレ懸念が後退したことが好感された。この米株高を受け、東京市場も大幅高となった。ハイテク関連の値がさ株などに見直し買いが流入し、全体相場を押し上げた。後場に入っても相場は堅調に推移し、結局高値引けで取引を終えた。
米労働省が10日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.5%上昇したが、伸び率は前月(9.1%)から縮小し、市場予想(8.7%)も下回った。物価の伸びが鈍ったのを受けて米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げへの観測が後退し、米株式市場では10〜11日にダウ工業株30種平均が1.7%上昇。東京株式市場でも投資家心理が上向き、グロース(成長)株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。
国内では主要企業の4〜6月期の決算発表がほぼ一巡した。ホンダや日揮HDなど、市場予想に比べて堅調な決算や業績見通しを手掛かりにした個別銘柄の物色も相場の支えになった。
市場からは「米インフレのピークアウト感が意識されたが、強すぎる動きだ。SQに絡んだ225型の買いは異常な高水準で、心理的なフシ目の2万8500円を超え、ヘッジファンドの先物買いも誘発したとみられる。これが上に向けた号砲なのか、歪(いびつ)な短期上昇現象なのか、見極めが必要だろう」との声が聞かれた。
短期筋のショートカバー(売り方の買い戻し)が中心で長期資金の流入は乏しいとの声が聞かれるなか、2万8500円近辺では利益確定や戻り待ちの売りも出た。
なお、8月オプション取引に係る特別清算指数(SQ)算出値は28525.62円だった。