前日のNYダウが下落したほか、急激な円高が進んだことが警戒され、日経平均は2万8000円を割り込んだ。米11月ISM製造業景況指数は49.0と節目の50を下回り米景気の先行きに警戒感が膨らんだ。また、米長期金利の低下を背景に為替相場は一時1ドル=135円10銭前後と前日午後5時時点と比べ1円50銭近い円高となった。採算悪化を懸念した売りも輸出関連株の重荷となった。
前場は500円を超える下落となったが、日銀のETF買いに対する期待もあり後場はやや下げ渋った。今晩の米11月雇用統計の結果を確かめたいとの見方も膨らんだ。
朝安後は安い水準ながら底堅さもみられた。前引け時点で東証株価指数(TOPIX)の下落率が2%を超えたため「午後に日銀の上場投資信託(ETF)買いが入るとの思惑が支えとなった」との声があった。日本時間今晩に11月の米雇用統計の発表を控え、午後は積極的な売買は見送られた。取引終了にかけては売り方の買い戻しも入った。
この日は日経平均が2万8000円台を割り込んでも押し目買いが入らず、むしろ25日移動平均線(2万7844円)を割り込んだことで目先筋の手じまい売りが加速してしまった。ここまで下げるほどの材料は見当たらないが、買い材料出尽くしでバランスが崩れた感はある。
TOPIXは反落し、32.48ポイント(1.64%)安の1953.98で終えた。業種別TOPIXは全33業種が下落した。医薬品や不動産業の下げが目立った。市場では「買い持ち専門の欧州投資家がディフェンシブ株の一角に売りを出していた」との指摘があった。