前日の米国株市場が休場で手掛かり材料難も意識されやすいところだったが、ドイツや英国などをはじめ欧州株が全面高に買われたほか、為替市場で円安が進行し、更に取引開始後は米株価指数先物が大幅上昇しているのを横目に、空売り筋の買い戻しを誘発する展開となった。日経平均は一時600円を超える上げをみせたが、後場終盤には目先筋の戻り売りが上値を押さえる形で上昇幅を縮小した。
欧米主要中央銀行の金融引き締めが世界景気の急減速につながるとの見方から、日経平均は6月中旬以降に急ピッチで下げ、20日には5月12日以来の安値を付けていた。値ごろ感が強まったとみられた銘柄に買いが入った。午後には売り方の買い戻しも入って、上げ幅を広げた。
前日に大きく下げた銘柄の上昇が目立ったものの、積極的に買いを入れる材料は乏しかった。世界景気を巡る不透明感は根強く、買い一巡後は大引けにかけて急速に伸び悩んだ。
市場からは「夜間取引で米株先物が上昇し、それを織り込みにいったが、今晩のNY株がさらに上で返ってこないと日本株は一段上に行きづらい。ただ、最近の動きを踏まえるとボラティリティ(価格変動性)の高い動きが続きそうだ」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)も3営業日ぶりに反発した。終値は前日比37.26ポイント(2.05%)高の1856.20だった。
東証プライムの売買代金は概算で2兆6190億円。売買高は11億1340万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1719と、全体の9割超を占めた。値下がりは92、変わらずは27だった。