前日までの連日の上昇で相場の過熱感が意識され、利益確定目的の売りが出た。円相場が円高・ドル安に振れたことも重荷となった。
下げ幅は200円を超え、心理的な節目である2万3000円を下回る場面もあった。ただ、アジアの主要な株価指数が堅調に推移し、投資家心理を支えた。押し目とみた買いも入りやすく、下値は限定的だった。
大手銀行や自動車、電子部品、海運など世界経済の急速な回復への期待から強い上昇基調にあった銘柄を中心に値下がりした。
ただ、株価が下落すると短時間のうちに買いが入って下げ渋る銘柄が目立ち、9日の株安について「上昇局面でのスピード調整にすぎない」との指摘があった。「3月の新型コロナ暴落以降の株価反騰に乗れなかった投資家が買いを入れている」とみられる。
JPX日経インデックス400は7日ぶりに反落。終値は前日比17.80ポイント安の1万4676.32だった。東証株価指数(TOPIX)も7日ぶりに反落し、2.29ポイント安の1628.43で終えた。業種別TOPIXは鉄鋼、海運業、非鉄金属などが大きく下げた。
東証1部の売買代金は概算で2兆5070億円。売買高は15億2158万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1219銘柄だった。値上がりは853、変わらずは97銘柄だった。