
きょうはリバウンド狙いの買いが幅広い銘柄に流入した。日経平均の上げ幅は一時900円を超えた。
日経平均は前日までの直近2営業日で1700円以上下落していたことから、値ごろ感からの押し目買いや買い戻しが活発だった。前日の米国株市場では半導体関連に売りが目立ったことで、東京株式市場でも朝方はこの影響が及んだが、その後に半導体主力銘柄を中心に買いが優勢となり、全体指数押し上げに貢献する形となった。
臨時国会で行う首相指名選挙を巡り思惑が錯綜するなかも、高市トレードの対象とされる銘柄にも人気化するものが相次ぎ、マーケット心理を強気に傾ける背景となった。
午後には、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング<ASML>の7~9月期決算で高水準の受注額が明らかとなり、半導体セクターはこれが好感された面もあったようだ。
立憲民主、日本維新の会、国民民主の野党3党は15日16時から、近く召集する臨時国会で実施する首相指名選挙を巡り、会談する方向だ。立民の野田佳彦代表は野党候補の一本化に意欲をみせる。国民民主の玉木雄一郎代表を指名する可能性も排除しておらず、国内政局が流動化するとの警戒感はなお根強い。
市場関係者は「自民党の高市早苗総裁が首相になる可能性も残されている。情勢次第では新首相が解散・総選挙に踏み切ることも考えられる。『選挙は買い』という経験則もあり、当面、株高基調は崩れないとの見方が投資家心理を支えた」と話していた。
値がさの半導体関連株が午後に株価水準を切り上げたことも相場の押し上げ材料になった。オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングが15日発表した2025年7〜9月期の受注額が市場予想を上回るなど良好な内容だったと受け止められた。
足元では米グーグルをはじめとするハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)による人工知能(AI)投資の規模が拡大しており、ASMLの半導体製造装置の需要増につながったようだ。同業の東京エレクトロンやレーザーテクに買いが波及した。韓国サムスン電子が上場する韓国株式市場で総合株価指数(KOSPI)が最高値を更新するなど、アジア株が堅調だったことも日本株相場の追い風になった。