米国と中国は貿易協議を開催することで合意したことが好感され、前日のNYダウは大幅続伸。これを受けた、東京株式市場は買い優勢となった。
特に、為替相場は約1カ月ぶりに1ドル=107円台に上昇したことから、自動車や機械、精密など輸出株が買われた。
前場には2万1241円と取引時間中としては8月1日以来となる高値を付けた。
ただ、今晩8月の米雇用統計の発表を控えているほか、週末要因もあり、後場は様子見ムードが強まった。
また、 日銀の黒田東彦総裁が日本経済新聞とのインタビューで「短期政策金利についてマイナス金利の深掘りは選択肢に必ず入っていると述べた』と伝わると、追加緩和による収益悪化が警戒され、銀行株が急速に伸び悩んだほか、業績が景気に左右されにくい電気・ガスなどのディフェンシブ株や中小型株が売られ、相場の重荷となった。
市場からは「買い戻し一巡感はないが、一回休んでもおかしくない水準だ。戻り売りが警戒されるレベルとなり、一段上に行くにはもう一発材料がないと難しい。米中問題など最悪の事態にはならなかったが、米中貿易協議の再開合意にしても英国のEU離脱延期にしても問題を先送りしたにすぎない」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は続伸、2.64ポイント高の1537.10で終えた。JPX日経インデックス400も続伸し、前日比36.86ポイント高の1万3748.91だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆901億円、売買高は11億4802万株だった。値上がり銘柄数は921、値下がり1124、変わらず106だった。