
前日の欧米株市場がほぼ全面高に買われ、特に米国株市場では半導体関連を中心としたハイテクセクターへの買いが顕著となり、ナスダック総合株価指数の上昇率が目立った。米政府機関の一部閉鎖が週内にも解除されるとの見方が投資家心理を強気に傾けた。エヌビディア<NVDA>を筆頭に半導体関連株への買いも顕著で、これを受けて東京株式市場でも朝方は同関連株などを中心に大きく買いが先行した。ただ、日経平均は一時600円あまりの上昇をみせたものの、その後は伸び悩んだ。前場中盤以降は一貫して弱含みに推移し、後場に入ると更に値を消し、アドバンテストやディスコなど朝方に買われた値がさの半導体関連株が下げに転じ、後場取引後半にはマイナス圏に沈んだ。下げ幅は一時300円を超える場面もあった。引け際に下げ渋ったがプラス圏には届かなかった。売買代金は6兆7000億円台と高水準の商いが継続している。
米連邦議会上院が政府閉鎖の終了に向けたつなぎ予算案を可決したことで、政府閉鎖が週内にも解除されるとの期待が高まった。投資家心理が強気に傾き、朝方は幅広い銘柄に買いが先行した。買い一巡後は一転して売り圧力が強まり、日経平均は上げ幅を縮小した。足元で上昇が目立った銘柄群を中心に高値警戒に伴う持ち高調整の売りが国内の機関投資家から膨らんだとの観測もあった。
日経平均は午後に下げに転じた。米政府閉鎖が解除となれば、これまで停止していた公式の経済統計の発表が再開する。10月以降は政府閉鎖に伴い経済統計の発表が激減したため、手がかりとなる材料が少なく、米株式や債券市場では相場変動率が低位安定していた。閉鎖解除で経済統計の発表が再開すると、結果次第では相場変動率の上昇につながり、株安となる可能性がある。「経済統計が発表再開で、米利下げが遠のくことを警戒した投資家が日本株にも利益確定売りを出している」との声が聞かれた。
企業の四半期決算の発表が本格化するなか、個別売買の動きも活発だった。きょう正午に決算を発表したソニーGは大幅高となった。半面、前日の取引終了後に決算を発表した菱地所は大幅に下落した。