前日の米株式市場では、NYダウが14ドル高と3日続伸し最高値を更新した。この日の東京株式市場も寄り付きは値を上げてスタートしたが、上値は重い状態だった。
新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多を更新し、景気への影響を懸念した売りがやや優勢だった。米半導体関連銘柄の下げを受け、値がさの半導体株が売られたのも相場の重荷となった。
狭いレンジでの方向感に欠ける展開となるなか、後場にかけても一進一退が続いた。お盆入りで市場参加者も限られるなか、週末要因も重なり積極的な売買は手控えられた。好決算を発表した銘柄への個別物色が続いた。
週末とあって午後に入ると持ち高を一方向に傾ける動きが一段と限られ、日経平均は横ばい圏で推移した。「コロナ感染拡大などを背景に積極的に上値を買う雰囲気ではない」との見方があり、日経平均が節目の2万8000円を上回る場面では戻り待ちの売りが出やすかった。
市場からは「主要企業の決算もほぼ一巡し、方向を決定づける材料が見当たらない。上値はコロナ問題で抑えられ、下値は低金利に業績良好で売り込めず、当面はもみ合いか」との声が聞かれた。
この日算出の日経平均先物ミニ・オプション8月限のSQ(特別清算指数)値は2万8093円15銭で、日経平均は同値を一度もタッチできず、「幻のSQ」となった。
東証株価指数(TOPIX)は反発し、2.84ポイント高の1956.39で終えた。JPX日経インデックス400は6日続伸した。
東証1部の売買代金は概算で2兆3208億円。売買高は9億9210万株だった。朝方は株価指数オプションとミニ日経平均先物8月物の特別清算指数(SQ)算出に絡んだ売買もあった。東証1部の値下がり銘柄数は1031と、全体の5割弱。値上がりは1042、変わらずは115銘柄だった。