
9日以来の最高値更新で、終値として初めて4万9000円台に乗せた。
高市総裁が女性初の首相に選出されることが確実視され、政治情勢を巡る不透明感が後退したとの受け止めから幅広く買いが優勢となり、全面高商状となった。
東証全33業種が上昇。銀行業が上昇率トップとなり、情報・通信や電気機器など景気敏感セクターの上げが目立った。米地銀の信用リスクを巡る投資家の懸念が前週末の米株式市場で後退したことも、投資家心理の改善に寄与した。先物への断続的な買いが現物株に上昇圧力を掛け、日経平均は強調展開となり、後場の取引開始直後に史上初となる4万9000円台に突入した後も利益確定売りをこなしながら上げ幅を広げ、高値引けとなった。
日本維新の会の吉村洋文代表は20日、自民党と連立政権の樹立で合意する方針を明らかにした。高市総裁と同日18時から会談して正式合意し、連立政権の合意書にも署名する見通し。10日に公明党が連立政権からの離脱を表明し、前週は政局不安から株価が下落したが、高市総裁による財政拡張・金融緩和路線の経済政策に期待した「高市トレード」が再開し、20日の市場では株高・円安が進んだ。
東証プライムの値上がり銘柄数は9割を超え、ほぼ全面高の展開だった。日経平均が急ピッチで株価水準を切り上げるなか、株価の上昇に出遅れまいとする投資家の買いが買いを呼ぶ「FOMO(Fear Of Missing Out=取り残される恐怖感)」の様相が強まった面もある。
市場では「高市総裁の経済政策に期待した『高市トレード』の織り込みはかなり進んだ可能性が高い」との声が聞かれる。そのうえで浪岡氏は、財政拡張的な政策を背景に金利が一段と上昇(債券価格は下落)すれば、今後は株式の割高さが意識される場面が出てくる可能性があり、注意が必要との見方を示した。
海外株の上昇も日本株相場を支えた。米地銀のフィフス・サード・バンコープが17日に発表した2025年7〜9月期決算は、1株当たり利益が市場予想を上回るなど底堅い内容だった。これを受け、16日に意識された米地銀の信用不安を巡る過度な警戒感が和らぎ、17日の米ダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発した。きょうの東京市場でも米地銀株安で前週末に下落した三菱UFJやみずほFGなど銀行株の一角に買いが入った。20日の市場では香港ハンセン指数などアジア株の上昇も目立った。