新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」に対する警戒感から前日までの3営業日で1600円超下げたため、主力株の一角に自律反発狙いの買いが入った。上げ幅は一時280円を超えた。
前日の米株式市場で、NYダウは652ドル安と大幅安だった。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の影響が懸念されたほか、11月消費者信頼感指数などが予想以上に悪化したほか、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が量的緩和縮小(テーパリング)ペース加速を示唆したため売りが加速。金融引き締め懸念を背景にハイテク株にも売りが広がり、ナスダック総合指数も大幅に下落した。
ただ、この日の東京株式市場は底堅く推移。前日までの大幅下落で値頃感も台頭し、下値には買いが流入した。NYダウ先物が上昇したことも買い安心感を呼んだ。日経平均は一時、2万8000円台を回復したが、戻り売りに押され引けにかけ伸び悩んだ。
日経平均は前日までに25日移動平均を5%近く下回る水準まで下げていた。東証1部の値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割って算出する騰落レシオ(25日移動平均)は71%台と「売られすぎ」とされる80%を下回り今年最低水準となっていたため、値ごろ感からの買いが入りやすかった。日本時間1日の米株価指数先物の上昇も支えだった。
一方、午前の取引では日経平均の下げ幅が220円を超える場面があった。「オミクロン型」への警戒がくすぶるなか、11月30日に議会証言に臨んだパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が金融引き締めに積極的と受け止められたのが売り材料視された。
JPX日経インデックス400、東証株価指数(TOPIX)はともに反発した。TOPIXは前日比8.39ポイント高の1936.74で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆2144億円、売買高は14億4119万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1368、値下がりは751、変わらずは65だった。