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【大引け概況】



29日の日経平均株価は3日続落し、前日比87円17銭(0.26%)安の3万3321円22銭で終えた。

 
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円高・ドル安の進行をきっかけに幅広い銘柄に売りが先行し、下げ幅を200円超まで拡大する場面もあった。売り一巡後は押し目買いが入って上昇に転じたが、大引けにかけて徐々に利益確定や戻り待ちの売りが優勢となり、再び下落して終えた。
 
きょうは総じて弱含みで推移したが、終始方向感の定まらない動きで、日経平均は途中プラス圏に浮上する場面もあった。ただ、後場取引後半は再び手仕舞い売りが優勢となり、下げ幅を広げた。前日の欧州株市場は高安まちまちだったが、米国では長期金利の低下を背景にNYダウなど主要株価指数が揃って反発に転じた。これを受け東京株式市場でも追い風が意識された。
ただ、一方で外国為替市場では日米金利差縮小を材料にドルが売られ、一時1ドル=146円台後半まで円高が進んだことが嫌気され、上値の重い展開を強いられた。日経平均の下値では年末高を期待する向きの押し目買いが活発だが、全体相場を押し上げるには力不足だった。
 
米国のリセッション(景気後退)入りへの警戒も根強く、鉄鋼や海運など景気敏感株も売りが優勢となった。日米の長期金利低下で、利ざや縮小懸念から銀行株の下げも目立った。
 
朝安後は個人投資家を中心に年末高を意識した押し目買いが入り、日経平均は上昇する時間帯もあった。米国や日本の長期金利低下を背景に半導体関連や電子部品など値がさのグロース(成長)株の一角が買われて日経平均を押し上げた。上げ幅は100円を超える場面もあった。
 
前日の米国市場は、ウォラーFRB理事が講演で、「今後あと数カ月で利下げができる可能性がある」となど言及し、ハト派に転じたことが支援材料となり、主要株価指数は上昇した。ただ、発言を受けて米長期金利が低下。日米金利差縮小観測から円高が進んだことが重荷となった。一方、米著名投資家のビル・アックマン氏が、FRBは来年第1四半期にも利下げを開始するとの予想を示したことから、「大方の予想より早い段階での利下げになる」との見方が広がり、押し目を拾う動きが強まった。
 
年末ラリーへの期待や配当の再投資などプラス材料がある一方、日経平均の上昇ペースが速かっただけに利食い売りが出やすい。34000円を突破するには新たな支援材料が不可欠のようであり、目先は強弱感が対立しながら値固め局面が続くとみる向きが多い。
 
 
東証株価指数(TOPIX)は3日続落し、12.21ポイント(0.51%)安の2364.50で終えた。JPXプライム150指数は3日続落し、4.49ポイント(0.43%)安の1046.73で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆5441億円。売買高は13億6815万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1049と、全体の6割強を占めた。値上がりは565、横ばいは43だった。
 
業種別株価指数(33業種)は鉄鋼、銀行業、海運業、保険業などが下落。輸送用機器、電気・ガス業などは上昇した。
 
個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクの下げが目立ったほか、日本製鉄、川崎汽船、三菱重工業なども下値を探った。ソフトバンクグループも軟調。セブン&アイ・ホールディングスなども値を下げた。そーせいグループが急落、AZ−COM丸和ホールディングス、サンリオなども大幅安だった。
 
 半面、レーザーテックが大きく買われたほか、東京エレクトロンもプラス圏で着地。トヨタ自動車もしっかり。エムスリー、楽天グループ、キーエンスも上昇した。アサヒグループホールディングス、リクルートホールディングス、豊田自動織機なども上値を追った。さくらインターネットは連日のストップ高を演じ、グローセル、霞ヶ関キャピタル、チェンジホールディングスなども大幅高だった。