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【大引け概況】
2日の日経平均株価は3営業日ぶりに反発し、前日比131円80銭高の2万8946円14銭で終えた。
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 朝方は売りが先行し日経平均は2万8500円台まで水準を切り下げたが、その後急速に切り返す展開となった。前日の欧米株が総じて堅調だったことに加え、国内で新型コロナワクチンの普及が進んでいることなどを受け市場心理が改善した。後場寄りに日経平均は2万9000円台に乗せる場面もあったが、その後は戻り売りに押され伸び悩んだ。
 
国内では高齢者のワクチン接種が進んでおり、21日からは職場などでの一般向け接種も始まる見通し。欧州連合(EU)が日本発の渡航を解禁する見通しとも伝わり、経済活動の正常化が意識されるなかで「陸運や空運などアフターコロナを見据えた物色が広がった」トヨタの連日の上場来高値更新も投資家心理を上向かせた。
 
午後には値動きの堅調さをみてヘッジファンドなど短期筋の買い戻しも誘い、日経平均は心理的な節目の2万9000円に乗せる場面があった。ただ本格的に戻りを試すには手掛かり不足で、その後は利益確定や戻り待ちの売りが上値を抑えた。
 
市場からは「国内でのワクチン接種が着実に進み経済回復への期待感から買いは根強いが、日経平均2万9000円では頭を抑えされ、戻り売りも出てくる。直近4日間は25日線と75日線との間でもみ合いが続き、インパクトのある材料が浮上してこないと上には進みにくい」との声が聞かれた。
 
JPX日経インデックス400は続伸。終値は前日比155.97ポイント高の1万7553.90だった。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、16.15ポイント高の1942.33で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で2兆7747億円。売買高は12億4876万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1259と、全体の約6割を占めた。値下がりは842銘柄、変わらずは92銘柄だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)では陸運業、不動産業、鉱業の上昇が目立った。下落は精密機器、パルプ・紙など。
 
個別では、月次動向が買い材料視されたKeePer技研、アムジェンと共同開発販売契約を締結した協和キリン、証券会社による目標株価の引き上げが材料視された日本製鋼所、などが大幅に上昇。「LINEマンガ」運営企業との業務提携を発表したイーブックはストップ高まで買い進まれた。JR東日本や三越伊勢丹、ANAHDなどが買われた。東電HDも高い。
 
一方、今期の業績予想は市場予想を上回るも戻り売りが優勢となった伊藤園はプラスで引けたものの、方向感に欠ける動きとなり、証券会社による格下げがあった日清食HDは大幅安となった。そのほか、オリンパス、太陽誘電が下落した。ソフトバンクグループ、ファーストリテ、東京エレクトロン、ソニーグループ、キーエンスなど値がさのグロース(成長)・ハイテク株や、武田薬品、第一三共、KDDIなどのディフェンシブ系銘柄が冴えず、ニトリHDは4%安と大きく売られた。
 
東証2部株式指数は前日比32.72ポイント高の7510.47ポイントと4日続伸した。
出来高1億3864万株。値上がり銘柄数は218、値下がり銘柄数は180となった。
 
個別では、東京ソワールがストップ高。フュートレック、コメ兵ホールディングス、ユタカフーズ、クリヤマホールディングス、ジー・スリーホールディングスなど21銘柄は年初来高値を更新。スリーエフ、セコム上信越、ワシントンホテル、東京ラヂエーター製造、日本アビオニクスが買われた。
 
一方、旭松食品、昭和化学工業、旭コンクリート工業、ニッセイが年初来安値を更新。アルメディオ、テクノマセマティカル、東京ボード工業、日和産業、プレミアムウォーターホールディングスが売られた。