朝方はリスク回避ムードの強い地合いだった。前日の欧州株市場が総じて軟調だったほか、米国株市場ではFRBによる金融引き締め長期化と米景気の減速を警戒する形で、NYダウが約半年ぶりの下げ幅となる390ドル近い下落をみせた。
ミネアポリス連銀総裁が追加利上げの必要性に言及したほか、JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)が政策金利が7%まで上昇するリスクを警告したため、金利高を警戒した売りが先行。経済指標の下振れで景気減速懸念も強まり一段安となった。
これを受け東京株式市場でも取引開始直後は市場のセンチメントが弱気に傾いた。しかし、日経平均の下げ幅は一時350円を上回ったものの売り一巡後は下げ渋り、先物を絡め徐々に水準を戻す展開に。きょうは9月末の権利付き最終日ということもあり、配当権利取りの動きが活発で全体指数を押し上げた。また、機関投資家による配当再投資の買いも株価の押し上げ要因となったようだ。値上がり銘柄数は後場に入り急増、プライム上場企業の7割強の銘柄が上昇して引けている。
日銀が定例の国債買い入れオペを通知したことなどをきっかけに、国内の債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが低下した。金利への感応度が高い高PER(株価収益率)株の一角が上昇に転じて相場の下値を支えた側面もあった。
日経平均は午前中に大きく下げる場面もあった。米金利の先高観などを背景に、26日の米株式市場でハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が4カ月ぶり安値で終えた。投資家心理の悪化に伴う売りが午前中は優勢だった。
TOPIXは反発し、7.59ポイント(0.32%)高の2379.53とこの日の高値で引けた。JPXプライム150指数も反発。4.02ポイント(0.39%)高い1032.21で終えた。