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【大引け概況】

27日の日経平均株価は反発し、前日比56円85銭(0.18%)高の3万2371円90銭で終えた。
 
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朝方はリスク回避ムードの強い地合いだった。前日の欧州株市場が総じて軟調だったほか、米国株市場ではFRBによる金融引き締め長期化と米景気の減速を警戒する形で、NYダウが約半年ぶりの下げ幅となる390ドル近い下落をみせた。
ミネアポリス連銀総裁が追加利上げの必要性に言及したほか、JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)が政策金利が7%まで上昇するリスクを警告したため、金利高を警戒した売りが先行。経済指標の下振れで景気減速懸念も強まり一段安となった。
 
これを受け東京株式市場でも取引開始直後は市場のセンチメントが弱気に傾いた。しかし、日経平均の下げ幅は一時350円を上回ったものの売り一巡後は下げ渋り、先物を絡め徐々に水準を戻す展開に。きょうは9月末の権利付き最終日ということもあり、配当権利取りの動きが活発で全体指数を押し上げた。また、機関投資家による配当再投資の買いも株価の押し上げ要因となったようだ。値上がり銘柄数は後場に入り急増、プライム上場企業の7割強の銘柄が上昇して引けている。
 
日銀が定例の国債買い入れオペを通知したことなどをきっかけに、国内の債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが低下した。金利への感応度が高い高PER(株価収益率)株の一角が上昇に転じて相場の下値を支えた側面もあった。
 
日経平均は午前中に大きく下げる場面もあった。米金利の先高観などを背景に、26日の米株式市場でハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が4カ月ぶり安値で終えた。投資家心理の悪化に伴う売りが午前中は優勢だった。
 
TOPIXは反発し、7.59ポイント(0.32%)高の2379.53とこの日の高値で引けた。JPXプライム150指数も反発。4.02ポイント(0.39%)高い1032.21で終えた。
 

東証プライムの売買代金は概算で3兆9250億円。売買高は15億8606万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1313と、全体の7割を占めた。値下がりは477、横ばいは46銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では、医薬品、その他金融業、不動産業の上昇が目立った。下落は海運業、電気・ガス業など。
 
個別では、第一三共やエーザイの医薬品、出光興産や石油資源開発の資源関連、カチタスや住友不動産、三菱地所の不動産が上昇。芝アドテストと東エレク浦メカ、キーエンス、ソニーG、ルネサス、レーザーテックのハイテクの一角も堅調。日本取引所も買われた。プラスアルファコンサルは国内証券の新規買い推奨で大幅高。ほか、メドレーは新規買い推奨、大東建託は投資判断の格上げが好感された。上半期収益予想を上方修正した西華産業、東証プライムの上場維持基準への適合に向けた取組みを継続するとしたセグエG、投資有価証券の一部売却による特別利益計上を発表したテクノスジャパンなどは大幅高となった。
 
一方、明日の配当落ちを意識しての動きか、四国電力や関西電力の電気・ガス、商船三井や郵船の海運、中部鋼板、淀川製鋼所の鉄鋼、八十二銀行や高知銀行の銀行などバリュー(割安)セクターが下落。円安基調が続くなかではあるが三菱自動車、日産自動車の輸送用機器、TOYOTIRE、横浜ゴムのゴム製品の一角が軟調。ファーストリテ、ディスコ、ダイキン、ニデック、村田製などの値がさ株やハイテクの一角も冴えない。