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【大引け概況】



17日の日経平均株価は続落し、終値は前日比141円43銭(0.40%)安の3万5477円75銭だった。

 
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朝方は円安進行を背景に主力ハイテク株中心に大きく買いが先行。前日の欧米株市場が総じて軟調な動きだったにもかかわらず、リスク選好の地合いで、寄り後も次第高。前場中ごろには600円を超える上昇で3万6200円台まで水準を切り上げた。しかし、その後は利益確定を急ぐ動きが表面化した。目先過熱感が意識されるなか、先物主導で売り優勢の地合いに変わり、日経平均は後場に入るとマイナス圏に沈んだ。途中戻り足をみせる場面もあったが、引けにかけて売り直され、ほぼ安値引けとなった。アジア株市場が全面安商状に売られたほか、米株価指数先物が軟調に推移したことも嫌気された。
 
前日の米半導体株高や円安・ドル高を支えに朝方は買いが先行し、上げ幅は620円に達したが、前場中ごろから急速に伸び悩んだ。日中値幅(高値と安値の差)は762円に達した。
 
日経平均が伸び悩んだのは、中国の上海証券取引所が上場する日経平均連動型の上場投資信託(ETF)の売買を一時停止したと伝わったからだ。過熱感がくすぶっていただけに「短期筋の先物売りの口実になった」との見方があった。日経平均は2024年初から前日までに2100円あまり上昇し、利益確定売りも出やすかった。
 
朝方は買いが先行した。16日の米市場では主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が前週末比で1.32%上昇した。東京株式市場ではアドテストや東エレク、レーザーテクなど半導体関連株に買いが波及した。
 
円相場は一時、1ドル=147円台半ばの円安・ドル高に振れたのも輸出関連株の買いにつながった。米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が16日の講演で「政策の軌道修正は慎重に判断し、急ぐ必要はない」と述べ、早期の利下げをけん制した。
 
日経平均の日中値幅は23年7月28日(809円)以来の大きさだった。
 
年初からの株価急上昇で短期的には値幅調整局面が不可欠だろうが、日本株の上昇基調の流れは変わらないとの見方が多い。一方、米国では今夜、昨年12月の小売売上高や鉱工業生産などの経済指標の発表が予定されている。市場予想より弱い内容になれば、景気減速への警戒感からドル売りが強まり、株式市場にはネガティブに作用する可能性があるだけに、経済指標を受けて米国市場の動きを確認したいところだろう。

 

 
東証株価指数(TOPIX)は続落した。終値は7.60ポイント(0.30%)安の2496.38だった。JPXプライム150指数も続落し、5.73ポイント(0.51%)安の1122.23で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で5兆2787億円と、23年11月30日(5兆5792億円)以来の高水準だった。売買高は19億6260万株。東証プライムの値下がり銘柄数は1114、値上がりは486、横ばいは57だった。
 
業種別株価指数(33業種)は鉱業、電気・ガス業、医薬品などが下落。上昇は卸売業、保険業など。
 
個別では、英国の大冤罪事件の影響が継続し富士通が売り優勢となったほか、第一三共、中外製薬、住友ファーマなど製薬株も弱い。また、信越化学、京セラ、ニデック、ダイキン、ファストリもさえない推移となった。そのほか、東京電力HDの下落も目立った。
 
 一方、24年3月期通期最終損益が従来予想のトントンから小幅に上振れると社長が明らかにしたことで、古河電工が大幅高となったほか、レーザーテック、アドバンテスト、スクリーンHD、東エレクなど半導体関連も買われた。また、三菱商事、イオン、コマツ、丸紅も上昇した。