19日の米株式市場では、NYダウが252ドル安と3日続落。労働市場の堅調さが示されたことから金融引き締めの継続を意識する売りが優勢となった。米国株が下落した流れを受け、東京株式市場も日経平均株価は値を下げて始まった。
ただ、前日に400円近く下落していたことから下値には値頃感からの買いが流入し、売り一巡後はプラス圏に浮上した。特に、岸田文雄首相が、新型コロナウイルスの感染症法上の扱いを季節性インフルエンザと同じ「5類」へ今春に移すよう指示した、と伝わると経済再開への期待が強まり、後場に入り日経平均株価は上昇幅を拡大した。空運や海運株などが買われた。
中国が新型コロナウイルスを抑え込む「ゼロコロナ」政策の終了により景気が上向くとの期待感が支えとなった。同日のアジア株が総じて上昇したことも投資家心理を上向かせた。
業種別では、中国経済の回復期待を背景に鉄鋼や空運、海運など景気敏感株の上昇が目立った。
寄り付きは前日の米株安から下げて始まったが、一巡後は下げ幅を縮小した。
「足元で大きく動いていた外国為替市場の落ち着きを確認したことで買いを入れやすくなったことに加え、新型コロナの5類移行も前向きに捉えられた」と話した。
日銀の金融政策決定会合という重要イベントを通過したことから、新規の手掛かり材料に乏しい状況に変化はなく、関係者からは持ち高調整の売り買いが多く、大引けにかけては買いが増えていたに過ぎないとの声が聞かれた。来週からは、日米ともに主要企業の決算発表が本格化する。年末年始から為替相場の急激な変動が続いている。足元の業績動向を確認してから動いても遅くなさそうだ。