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【大引け概況】


20日の日経平均株価は反落し、終値は前日比62円09銭安の3万8352円34銭だった。

 
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きょうは様子見ムードのなか、朝方は日経平均株価が上昇して始まったが、その後は売りに押される展開で前場中盤以降はマイナス圏での動きに終始した。ウクライナとロシア間の紛争激化に伴う地政学リスクの高まりを背景に、前日の欧州株市場が全面安に売り込まれ、米国株市場でもNYダウが取引開始直後に400ドル以上の下げをみせるなどリスクオフの地合いとなった。強い米経済指標を背景に米連邦準備理事会(FRB)による利下げペースが鈍化することへの警戒感がくすぶっている。
ただ、ハイテク株中心に根強い買いが入り、ナスダック総合株価指数は1%を超える上昇を示しており、東京市場でも朝方はこれを好感した。米国で現地時間20日に発表される米エヌビディアの決算発表を控え、半導体関連は思惑が錯綜し高安まちまちだった。
 
ウクライナ軍は19日、米国から供与された長距離地対地ミサイルでロシアの軍事施設を攻撃した。ロシアは核兵器の使用条件を示した「核抑止力の国家政策指針(核ドクトリン)」を改定し、核兵器による反撃の可能性を示唆した。両国間の地政学リスクの高まりも買いを見送る要因となった。手控えムードが強いなか海外勢とみられる株価指数先物への散発的な売りにつられて日経平均は下げ幅を200円あまりに広げる場面もあった。
 
半面、セブン&アイが創業家による買収に関する報道で急伸し、上場来高値を更新するなど個別で材料のあった主力株には買いが集まり、相場の下値を支えた。ソニーGは動画配信・出版大手のカドカワの買収に向けた協議に入ったと伝わったことを手掛かりに上昇した。前日に2024年4〜9月期決算を発表した損保株ではSOMPOが通期純利益予想の上方修正と追加の株主還元を好感した買いで急伸した。市場では企業の資本効率改善に向けた動きが一段と加速することを期待する声も出ていた。
 
日本時間21日早朝には米エヌビディアの2024年8〜10月期の決算発表を控える。エヌビディアがけん引する生成人工知能(AI)向け半導体市場拡大の恩恵を受けるとされるアドテストは取引終了にかけ上げ幅を拡大した。東京エレクトロンは後場に持ち高整理の売りに押されて下げ幅を広げた。

 
 
東証株価指数(TOPIX)は反落した。終値は前日比11.74ポイント(0.43%)安の2698.29だった。JPXプライム150指数も反落し、3.74ポイント(0.31%)安の1195.07で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆7494億円、売買高は16億5345万株と低調だった。東証プライムの値下がり銘柄数は997、値上がりは600、横ばいは48だった。
 
業種別株価指数(33業種)は保険業、銀行業、陸運業などが下落。上昇は小売業、その他製品、繊維製品など。
 
個別では、ディスコ、東京エレクトロンが冴えず、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも軟調。通期予想を上方修正したものの、政策株式売却益を除いたベースでの利益は実質下方修正だったことから東京海上ホールディングスが大幅安となったほか、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、T&Dホールディングスなど大幅安。また、京成電鉄、京王電鉄、小田急電鉄など首都圏私鉄が売られたほか、あおぞら、日産自、マツダ、スクリーンHD、清水建設などが下落した。
日立製作所も売りに押された。東テクが急落、Appier Group、ネットプロテクションズホールディングスの下げも目立った。
 
半面、創業家が今年度中に買収が完了すると報じられたことでセブン&アイ・ホールディングスは商いを伴い大幅高。三菱重工業が堅調、IHI、川崎重工業など防衛関連が買われた。好業績のほか配当予想の上方修正や期待以上の自社株買い発表でSOMPOホールディングスが値を飛ばし、リクルートホールディングスも上昇した。ID&Eホールディングスがストップ高に買われ、KADOKAWAの買収協議に入ったと報じられたソニーグループも堅調。K A DOKAWAも急騰。このほか東京ガスが大きく水準を切り上げ、SHOEIも物色人気に。
東ガスはエリオットによる大量保有を受けて大幅高。このほか、コニカミノルタ、ニデック、日本製鋼所などが買われた。