3日のNYダウが前日比360ドル安と反落。米雇用統計で新規雇用者数が減少したことなどが警戒されたが、週明け6日の東京株式市場で日経平均株価は急伸した。
市場には「早ければ7日にも緊急事態宣言が行われる」との報道が流れ、これを受け、海外投資家を中心とする売り方の買い戻しが流入したとみられている。
先物の指し値注文が少ないなか、まとまった買いが入る場面で相場は上昇の勢いを強めた。
新型コロナ感染による全米死者数のうち約半数を占めるニューヨーク州のクオモ知事が5日の記者会見で「1日当たりの死者数は初めて前日より減った」と述べた。これをきっかけに短期筋が日米の株価指数先物の買いに動いた。
後場終盤にかけてはロシアとサウジアラビアの原油減産合意について「非常に近い」と米CNBCがロシアのソブリン・ウェルス・ファンドの責任者の話として報道。原油相場の下落に歯止めがかかり、世界のエネルギー関連企業の経営不安が後退するとの見方から株式を買い戻す動きも強まった。
市場関係者からは、「緊急事態宣言が都市封鎖に直結しないことが投資家に理解され、相場が落ち着きを取り戻した」との指摘があった。
ただ、鉄道の運行本数減便なども伝わり、経済停滞懸念は根強い。相場上昇の持続性には懐疑的な声も聞かれた。
JPX日経インデックス400は6営業日ぶりに反発した。終値は前週末比445.12ポイント高の1万2354.96だった。東証株価指数(TOPIX)も6営業日ぶりに反発し、51.17ポイント高の1376.30で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆6994億円。売買高は16億7962万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は2004と、全体の約9割を占めた。値下がりは141、変わらずは23銘柄だった。