前日のリスクオフの巻き戻しで日経平均が反発に転じた。寄り付き直後には240円超まで上げ幅を広げ、この日の高値を付けた。
米通商代表部(USTR)が対中関税「第4弾」を巡り、スマートフォンやゲーム機などの一部品目の発動を12月に先送りすると発表したことで、米中貿易摩擦への警戒感がやや後退した。
電子部品や機械などの景気敏感株を中心に買われたほか、外国為替市場で円相場が対ドル・対ユーロで前日に比べて円安方向に振れたことで、輸出関連株の買いも誘った。
また、内閣府が寄り付き前に発表した6月の機械受注統計で、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)が前月比13.9%増と、QUICKがまとめた民間予測の中央値(1.5%減)を大きく上回ったことで、ファナックなど設備投資関連株の一角に買いが入り、相場全体を支えた。
一方で、日本時間午前11時ごろ発表の中国経済統計が市場予想を下回ったことなどを受け、外国為替市場で円が下げ渋った。
さらに短期志向の投資家が内需株から景気敏感株へ資金をシフトさせ、鉄道や不動産、食品株などを中心に売りが広がったことで、日経平均は一時上値の重い展開となった。
一部の国内投資家が休暇に入っており商いも低調で、高値と安値の値幅は116円にとどまった。
市場からは「対中関税『第4弾』の延期で短期筋が動いたに過ぎない。撤回となれば話は別だが、米中問題の大元は何ら変わっていない。決算も出尽くし、当面は様子見だろう」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反発し、前日比12.93ポイント高の1499.50で終えた。JPX日経インデックス400も反発し、終値は前日比110.80ポイント高の1万3370.12だった。
東証1部の売買代金は概算で1兆9400億円と、7月29日以来、11営業日ぶりに節目の2兆円を割り込んだ。売買高は10億6324万株だった。値上がり銘柄数は1673、値下がり406、変わらず70だった。