日経平均は5月29日以来、約2週間ぶりに2万1000円台に回復した。
5月の米雇用統計が市場コンセンサスを大幅に下回ったことを受け、FRBの利下げ観測が強まったことを背景に、前週末の米株式相場が上昇したこと、米政府のメキシコへの制裁関税発動見送ったことにより、市場心理が改善した。
電気機器や素材など景気敏感株や自動車株の買いが優勢となり、内需の中小型材料株も物色された。
一方で、値幅は約90円にとどまり上値は重かった。
9日閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では世界経済の下振れに対し、「さらなる行動をとる用意がある」と共同声明に明記した。
このことから、マイナス金利のさらなる低下が警戒され、銀行株の一部に売りが出た。
秋の消費増税の実施も固まり、小売株も売られた。
市場からは「米国がメキシコへの関税を見送り、黒田日銀総裁が(ブルームバークTVとの単独インタビューで)『必要ならさらに大規模な緩和を行うことができる』と伝わるなどフォローの風が吹いたが、25日線を超えて戻り売りが出やすい水準に入ってきた。上昇過程で出来高が増えてこないと一段高は難しい」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続伸した。終値は前週末比187.12ポイント高の1万3814.50だった。東証株価指数(TOPIX)は20.55ポイント高の1552.94だった。
東証1部の売買代金は概算で1兆9516億円、売買高は11億6307万株だった。値上がり銘柄数は1783銘柄、値下がり294銘柄、変わらず64銘柄だった。