最近の急ピッチの相場下落を受けて自律反発を見込んだ買いが優勢となり、景気敏感株をはじめ幅広い銘柄に買いが入った。
前日の米株式市場では、NYダウが617ドル高と急反発。これを受けた、東京株式市場で日経平均株価は、寄り付きでは値を上げてスタートしたが、上値では売りに押され前場は一時160円を超す下落となるなど軟調に推移した。日経平均への寄与度の大きい銘柄で悪材料が重なったため、午前は下げる場面も目立っていた。
ただ、後場に入る買いが優勢となり、日経平均は2万8000円を回復し高値引けで取引を終えた。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」を巡る状況が警戒されているが、前日までの大幅な下げで値頃感が強まっていた。
今晩は米11月雇用統計が発表されることもあり、その結果も注目されている。
日本時間の3日昼前には「米議会上院が新たなつなぎ予算案を可決した」と米メディアが報じ、政府機関の一部閉鎖がひとまず回避された。午後には「米製薬大手メルクの日本法人がコロナの治療薬候補の製造販売承認を厚生労働省に申請した」とも伝わり、日経平均は騰勢を強めた。
東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)が2日に底値の目安とされる70%を割り込むなど、「売られすぎ」を示すテクニカル指標も多かった。
市場からは「おおむね米株先物に連動した動きで、それに日経報道が後押しした印象だ。ただ、自律反発にしては戻りが弱い。マーケットは調整継続派と先高期待派が二分しているようだ」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反発し、終値は31.49ポイント(1.63%)高の1957.86で終えた。JPX日経インデックス400も反発した。
東証1部の売買代金は概算で2兆9347億円。売買高は12億3333万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は2015と、全体の約9割を占めた。値下がりは138、変わらずは31銘柄だった。