きょうは戻り売り圧力が顕在化し、2万7000円台を割り込む展開を余儀なくされた。前日の米国株市場では大手金融株などに買い戻しの動きが強まり、NYダウが急伸、ナスダック総合株価指数も4日ぶりに反発したことで、朝方取引開始前はリスク選好の地合いも想定された。
しかし、フタを開けてみると戻り売り圧力の強さが目立つ状況となった。米インフレへの警戒や中国経済の減速懸念が拭えず、取引時間中は米株価指数先物やアジア株市場が軟調に推移するのを横目に、投資家心理が弱気に傾く展開となった。
主要な米ハイテク株で構成するナスダック100株価指数の先物が大幅に下落しており、東京株式市場でも主力のグロース(成長)株を中心に幅広い銘柄に売りが出た。
日経平均は前場後半に下げ渋る場面もあったが、戻し切れずに売り直された。あすのFOMC議事要旨の内容を見極めたいとの思惑も買いを手控えさせた。
日経平均の4月以降の価格帯別売買高では、2万6500〜2万7000円前後で商いが多く、戻り待ちの売りが出やすくなっていた。
「2万7000円の壁は厚かった。米金融引き締めの局面で積極的に買い向かう投資家は少ない」との声があった。
市場からは「米株先物を中心にベンチマーク(指標)が値を下げ、短期筋主体の先物売買でフラフラしている。上値は重いが、下値も限定的で、どちらかに決め打ちできない状況であり、押し目買い、戻り売りの流れが当面続きそうだ」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比16.31ポイント(0.86%)安の1878.26だった。
東証プライムの売買代金は概算で2兆6381億円と、4月26日以来、およそ1カ月ぶりの低水準だった。売買高は11億1351万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1569と、全体の85%を占めた。値上がりは215、変わらずは53銘柄だった。