前日の米長期金利の低下を受けて株式の相対的な割高感が和らぎ、東京株式市場では指数寄与度の高い値がさ株を中心に買い戻しを入れる動きが優勢だった。アトランタ連銀総裁が利上げ打ち止めを再表明し金利が低下したことが相場の上昇を後押しした。午後に一段高となり、節目の3万2000円を上回る場面があった。
米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測の後退や中東の地政学リスクの高まりを背景に前日の米長期金利が低下。このところ国内株式相場の重荷として意識されていた米金利上昇が一服したとの見方から、ファストリなど指数寄与度の高い値がさ株が主導して指数を押し上げた。11日の香港ハンセン指数などアジアの株価指数の上昇も投資家心理の一定の支えになった。
韓国の半導体大手サムスン電子が11日発表した7〜9月期決算速報値が前四半期比で大幅増益となった。市況の底入れ期待から東エレクやアドテスト、レーザーテクなど半導体関連銘柄への買いも目立った。
午後1時25分には同290円54銭高の3万2037円07銭を付け、取引時間中としては2日以来、約1週間ぶりに3万2000円台を回復。その後も堅調な値動きだった。
3万2000円を超える局面では上値が重かった。前日の日経平均は700円強高と今年最大の上げ幅を記録しており、高値圏では戻り待ちの売りが重荷となった。前日に大幅高となった川崎汽や郵船など海運株への売りが目立った。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、4.35ポイント(0.19%)安の2307.84。TOPIXは前日終値を挟んでの一進一退が続き、小幅な下落で終了した。
JPXプライム150指数も反落し、終値は1.10ポイント(0.11%)安の1008.38だった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆3821億円。売買高は13億2060万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は380と、全体の2割にとどまった。値下がりは1408銘柄、横ばいは49銘柄だった。