きょうの東京株式市場は、寄り付きは高く始まったがその後は漸次下値を探る展開。前週末の米国株市場でNYダウが最高値を更新したほか、ナスダック総合指数も上昇したことでリスク選好ムードだったが、3万円近辺では戻り売り圧力の強さが改めて意識された。
発表された経済指標などから米国景気は引き続き好調であることが確認され、警戒された米長期金利も落ちついた動きにあった。
しかし、国内ではワクチン普及の遅れが警戒され、3月決算企業の決算発表本格化を前に、買いポジションを低めておこうとする動きが顕在化した。日経平均は途中下げ渋る場面もあったが、戻り足に転じる強さはなく次第安に。大引けにかけては売り直され安値引けとなった。
東京都など3都府県で、新型コロナウイルスの緊急事態宣言に準じた措置をとる「まん延防止等重点措置」の適用が始まった。感染拡大への警戒がくすぶっていることが売りを誘った面もあるという。
前週末に今期の大幅増益見通しを発表した安川電は7%安で終えた。
市場では「期待先行で買われてきた銘柄に決算後に売りが出る懸念が強まった」との声があり、今後本格化する決算発表を前に積極的な買いを入れにくい雰囲気が広がったという。今期の最終黒字転換見通しを発表したものの、黒字幅が市場予想に届かなかったイオンは4%安だった。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、4.88ポイント安の1954.59で終えた。JPX日経インデックス400も反落し、終値は前週末比65.92ポイント安の1万7600.41だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆635億円と、1月18日以来およそ3カ月ぶりの低水準だった。売買高は9億5429万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は811と、全体の4割弱だった。値上がりは1292、変わらずは87銘柄だった。