海外ヘッジファンドなど短期筋による株価指数先物への買い戻しが優勢となったが、米中貿易摩擦や米景気への先行き懸念から上値は限られた。
米債券市場で景気後退の前兆とされる10年物国債の利回りが2年債を下回る「逆イールド」が進んだことで、鉄鋼や機械といった景気敏感株には売りが目立ち、日経平均は下げる場面もあった。
相場の上値を追う新たな手掛かりに欠けたうえ、トランプ米政権が9月1日に半導体メモリーなど約1100億ドル分の中国製品を対象に「制裁関税第4弾」を発動後、米中対立が激化するかを見極めたいとして積極的に買い持ちを増やす投資家は少なかった。
一方、金利低下の恩恵を受けやすい不動産銘柄や化粧品や日用品などのインバウンド消費関連の銘柄が買われ、相場全体を支えた。
このところ日経平均が節目の2万円に近づくと下げ渋ることが多かったことも、先物の買い戻しにつながった。
市場では「方向感が出ないなか、現地27日の米国株が下落した影響を受けずに、堅調に推移したことから、地合いは良さそう」との声も聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、0.66ポイント高の1490.35で終えた。JPX日経インデックス400も小幅に続伸した。終値は前日比18.23ポイント高の1万3315.85だった。
東証1部の売買代金は概算で1兆6159億円、売買高は9億5799万株。値上がり銘柄数は815、値下がり1220、変わらず116だった。