<Q>証券株が全般、とくに日経平均に対して出遅れているように思われるが。
<A>指摘通り出遅れているといえる。大和証券グループ本社<8601>(売買単位1000株)と、野村ホールディングス<8604>(売買単位100株)でみると、現在の株価水準は、大和が中国ショック前水準に対し8.6合目ていど、野村も8.6合目ていどと日経平均が2万円台の乗せ中国前ショック水準を奪回しているのに比べて出遅れているといえる。
<Q>出遅れの理由は。
<A>もともと、証券株はトヨタ自動車など主力株に対し遅れて動く習性がある。中国ショックでは、多くの優良銘柄が8月24日底打ちだったが、大和、野村とも9月29日がボトムでほぼ1カ月遅れでの底入れだった。当然、反発相場の局面でも遅れて上昇となっているように思われる。それに、もう一つ、東証1部の売買代金と売買高の少ないことも微妙に影響しているように思われる。両社とも株式への依存度が高いため売買高が少ないと収益に対する心配があるためだろう。
<Q>今後、証券株が上昇する可能性は。
<A>2つあると思われる。一つは、日経平均が2万円前後を固め、2万2000円程度へ上伸することだろう。もうひとつは、黒田日銀総裁が第3次量的緩和を実施したときだろう。過去2回の量的緩和では株価だけでなく出来高(売買高)も増えて活況となっている。
<Q>大和が野村の株価より約100円上ザヤにあるのはなぜか。今後、どう動くか。
<A>発行済株式数が、野村は大和に比べ約2倍と大きいこともあるだろうし、信用買残も野村は大和の約5倍と多いこともあるだろう。軍艦と駆逐艦の違いのように思われる。今後は、日経平均に対する比較感から大和は中国ショック前の930円前後、野村もショック前の860円前後を目指すものとみられる。ただ、量的金融緩和がない場合は証券株を積極的に買い上げるというより、あくまで日経平均に対する比較感で商いの伴わないフワッとした形の上げのように思われる。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
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