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【相場展望】
日経平均はNYダウに比べ出遅れ感強い、10月中は強い展開を予想

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日米とも連騰に対し高値警戒感はあるものの、中国・上海総合指数が落ち着いていることもあって、引き続き、「利上げ延期濃厚観測」を手掛かりに戻りが見込めそうだ。


NYダウは8日まで5営業日連続高で計約780ドル上昇、日経平均も去る9月29日のボトムから6連騰を交えて9日(金)の高値まで約1530円の上昇となっている。牽引しているのはNYダウで、NYダウはチャイナショック直前の水準(約1万7450ドル)へ手を伸ばせば届くところまで来ている。今回の世界株価急落の原因となった中国経済先行き懸念が足元では上海総合指数が3100ポイント台(8月26日に2977ポイントの安値)に戻すなど小康状態となっている。9月の雇用統計が予想を下回ったことで、「利上げ延期観測」が強まりNYダウを反発に導いている。


日米とも景気の行方が最大の焦点といえるが、アメリカの次の金融決定会合(FOMC)は10月27日までしばらく時間の余裕があるし、10月の雇用統計発表の11月6日(金)までにはさらに時間的余裕がある。しばらくは、「鬼のいぬまのなんとやら」で、材料空白から強い展開が続くとみてよいだろう。もちろん、中国経済に大きい悪材料が出ないことや、一部夕刊紙が、米国が南シナ海に艦隊派遣と報道していることなど米中の軍事緊張といったことがなければという条件はつく。

日本は足元の景況感悪化が伝えられるなど景気に対する慎重な見方が強まっている。日銀は先の金融政策決定会議では量的緩和に対してはそっけない姿勢だった。もっとも、7〜9月のGDP発表が11月中旬ということから数字に対するマーケットの反応を見てからでよいということだろう。


マーケットでは、景気に対しては、慎重な見方とアベノミクス新3本の矢への期待が綱引きといえる状況だろう。足元では新3本の矢に対する期待が強いが、GDP発表が近づけば徐々に景気に対する警戒感が強まることになるだろう。とくに、10月中旬から9月中間期決算発表が始まる。6〜7月の第1四半期決算発表時点に比べると為替、輸出環境、国内の景況感など芳しくはないだけに楽観はできない。日経新聞で決算に対する事前報道が活発となってくるだけに個々の銘柄では波乱も予想されそうだ。


NYダウは戻り高値を大きく更新、チャイナショック直前水準に近づいているのに比べ、日経平均はショック直前水準2万0660円には2200円も下にあり出遅れている。日本の景気がアメリカの景気に比べ力強さに欠けているとはいってもアベノミクスによる景気押し上げを期待すれば日経平均の上値は期待していいだろう。少なくと10月中は強気でよさそうだ。

(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR:犬丸正寛の相場展望)
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