■雇用統計受け、「景気悪化懸念」と「利上げ延長好感」の綱引き
NYダウが雇用統計の内容が予想を大きく下回ったにもかかわらず直近2日(金)は大きく値を上げた。景気悪化懸念と利上げ延長好感が綱引きの展開となりそうだ。
<Q>前週末のNYダウは急伸したが。
<A>終値で200ドル高の1万6472ドルと終値水準としては9月21日(1万6510ドル)以来となった。
<Q>背景は何か。雇用統計はよくなかったのではないか。
<A>2日(金)に発表された9月の雇用者数(野業分野を除く)は14万2000人の増加にとどかまり事前予想の20万人超を下回った。しかも、前月8月分についても速報値の17万3000人から13万人増に下方修正された。とくに、物つくりの製造業分野において雇用の数字が芳しくなかったことからアメリカの景気は悪いほうに向っているのではないかと判断して朝方は200ドル近く安くなっていた。しかし、景気が悪ければ、10月、12月の年内利上げは無理でかなり先まで延期されるのではないかとの見方が浮上して終値では200ドルとなった。
<Q>景気が悪いということはNYダウは上に行き難いことになると思うが。
<A>その通りだ。ただ、夏以降のNY相場は利上げ接近の材料に上値を押さえられてきた。この利上げの重石が取れるわけだから、当面は景気に対する心配より利上げの重石が取れたことを評価する展開と思われる。
<Q>NYダウはどこまで戻すのか。
<A>NYダウは終値でみれば8月25日の1万5666ドルを1番底、去る9月28日の1万6001ドルで2番底をつけた展開となっているので当面、チャートの面では下げ圧力より株価押し上げ力のほうが強いとみられる。上値目処として9月16日につけた戻り高値1万6739ドル前後がフシだろう。そこまで戻れば、利上げ延期材料に代わって景気悪化懸念が材料として前面に出てくるように思われる。
<Q>日本株はどうか。
<A>安倍新内閣がスタートして具体的な景気対策が出るまでは日本独力の相場は無理だろう。このため、NYダウが上がれば日経平均も上がることになるだろう。NYダウが1万6739ドルまで戻すようならNN倍率1.090倍を当てはめれば日経平均は1万8200円(前週末2日は1万7725円)程度ということになりそうだ。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
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