『ファナック決算の意味するところ』
2016年3月期の第1四半期(4〜6月)決算の発表が本格化している。いきなり、ファナックの通期見通し減額修正でマーケットに緊張が走ったが、30日の日経平均は200円を超える急伸で平穏を取り戻している。
ファナックの減額から言えることは、優良銘柄群にアベノミクスの息切れ感が出ているのではないかということだろう。これまで、アベノミクス効果は優良企業には大きく発現しているが、中小企業には恩恵が小さいと指摘されてきた。その優良企業群に陰りが見え始めたということになれば、「アベノミクス陰り」ではなく、「アベノミクス腰砕け」の心配が増してくる。安全保障関連法案に軸足を移している間に景気の先行きは怪しくなりつつあるのかもしれない。
消費税10%が控えていることからも、もう一度、景気対策を真剣に考えるところに来ているのではなかろうか。もし、4〜6月期決算が全体として好調な内容となった場合に安心されるのが怖い。ファナックの減額が先行きに対する懸念の兆しなのかもしれないことを頭に入れておく必要がありそうだ。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
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